クセがすごいぞ C4D L

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AEでアニメーションを作るには、レイヤーに割り当てられたタイムラインという時間の流れに変化点を打って、キーフレームとして記録管理していきます。あるタイミングでキャラクターの腕が上がって、次に右足が前に出て……といった具合です。絵も大事ですが、動きが死んでいては台無しです。この絵に命を与えるのがキーフレーム作業だと断言できるのではないでしょうか。


 キーフレームを簡単に説明しますと、ある "キャラクター" の最初の変化点が、『Y=0cm、X=100cm』であって、次の変化点が『2秒後』で、『Y=200cm、X=100cm』 だとしたら、その "キャラクター" は 2秒かけて上方向へ『200cm』だけ動きます。変化点は【角度】や【スケール】などにも打てるため、このキャラはステージを自由に跳び回れることになります。

 ここで AEユーザーの方が気をつけたいのが、Y軸の方向です。AEでは数値が増えると『下』へ動きますが、C4D(3Dの世界)では数値が増えると『上』へ動きます。実世界と同じ感覚で、地面から空へ向かって数値が積み上がっていくようなイメージです。最初はこの変化に戸惑うかもしれませんが、実世界と比較して同じ挙動ですのですぐに慣れると思います。

 もちろん C4D L(CINEMA 4D Lite)にもちゃんとタイムラインはあります。
 AEでは、キーフレームがレイヤー表示される【タイムライン】と、キーフレームをグラフ表示させる【グラフエディタ】がありますが、C4D Lでも【タイムラインマネージャ】の中に、AEのタイムラインにあたる【ドープシートモード】と、グラフ表示をする【Fカーブモード】の2つの表示形式が用意されています。
 ただ AEユーザーにとって【ドープシート】という言葉は馴染みが薄いですので、ここでは混乱を避けるためにドープシートのことを【タイムライン】と記載することにしました。



 まずは 次の写真をご覧ください。
 キーフレームアニメーションで必要なマネージャやパネル類を出しました。

[1] エディタビュー(作業画面)
[2] タイムラインマネージャの中に開いたドープシート(タイムラインモード)
[3] アニメーションツールバーとタイムスライダ
[4] オブジェクトマネージャ(OM)
[5] 属性マネージャ

ご覧のように AEと非常によく似ています。
 また、【タイムライン】の左側にある、オブジェクト名や位置・回転などの項目が並んでいる部分。ここを【トラックエリア】と呼びます。AEでいうところのレイヤー名やプロパティが並んでいる場所です。
 写真では【球体】【立方体】と並んでいて【+】アイコンを押すと【位置】や【角度】などキーフレームが打たれているトラックの現在値やキーフレームが展開されます。
 トラックの数値を表示させるには、タイムラインウインドウにある【表示】→【表示】→【トラックの値を表示】をオンにします。



 では実際にキーフレームを打ってみました。

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キーフレームが打たれた状況

上は、4面ビューが開いている状態で【F8】キーを押して、アニメーションプレビューを実行しているようすです。
 各ビューの中をクリックすると、そのビューでアニメーションが展開されます。

 タイムラインで動いている水色のバーのようなものが、AEにもある【再生ヘッド】です。見た目もそれほど変わりませんので、AEから移行してきた人でもすんなり受け入れることができると思います。


 少し異なる点は、再生ヘッドが【タイムライン】以外に【タイムスライダ】にもあります。

 タイムラインが二つある理由は、一つはメインのタイムラインで、すべてのオブジェクトのキーフレームを表示して、AEのように複雑なタイミング調整や、Fカーブ(グラフ)での加減速を編集するもので、もう一つの小さいほうは、"タイムスライダ" と呼ばれるもので、選択しているオブジェクトのキーフレームだけが "抜粋" して表示される "クイック" 的な使いかたをするものです。

 少し細かい説明を補足しますと、【アニメーションツールバー】の中央にある数値が、再生ヘッドが指しているフレーム位置で、【タイムスライダ】の右端と左端の数値がアニメーションの再生範囲を示しています。



 タイムラインにキーフレームを打つ方法も同じです。属性マネージャの座標値が、『P.X、P.Y、P.Z』に示されています。ここで直接数値を変えればオブジェクトはそれに従った場所へ動きます。続いて数値の左横にある小さな "◇" アイコンをクリックするとタイムラインの再生ヘッド位置にキーフレームが打たれます。次に適当な時間まで再生ヘッドを動かして、オブジェクトの位置を変えて、変化のあった座標のオレンジのボタンを押すと、二つ目のキーフレームが再生ヘッドの位置に打たれます。
 注意が必要なのは、 "◇" アイコンは『P.X、P.Y、P.Z』それぞれにありますので、キーフレームも個々に打つ必要があります。一度に 3点打つ方法もありますが、それは後述しています。



 何も難しいことはありません。AEとほとんど同じでした。
 ただし、決定的に異なるとしたら、デフォルトのままだと、キーフレームを打ったオブジェクトを動かしても自動的には新しいキーフレームは打たれないということです。必ず自分で記録するという儀式が必要です。これを AEから移行してきた人はつい忘れてしまって、あとで慌てふためきます。



【細かいキーフレームの記録方法】

C4D Lではキーフレームを打つ手段が AEよりたくさんあります。

 属性マネージャの数値の横にある小さな "◇" アイコン以外に、【アニメーションツールバー】(下記の写真)をご覧ください。

下の[番号]は写真の【アニメーションツールバー】に並べた数字を示しています。

[1] キーフレームを打ちます。どのパラメーターのキーフレームを打つかは、上記写真の[4][5][6][8]のボタンがオン(アイコンに色が付いていない)になっているパラメータです。
[2] 自動記録ボタン
[3] オートキー記録(選択したパラメータのみ)Liteでは使えません
[4] オンにすると『位置』にキーフレームを打つことを許可します。[1]や[2]に影響します。
[5] オンにすると『角度』にキーフレームを打つことを許可します。[1]や[2]に影響します。
[6] オンにすると『スケール』にキーフレームを打つことを許可します。[1]や[2]に影響します。
[7] パラメータ記録を許可 Liteでは使えません
[8] PLA(point Level Animation)スプラインパスの変形アニメーションやポリゴンの点レベルでのアニメーションなどができます。

《補足》
R25以降、だいぶデザインが変わりまして、ここのアイコンは、色が付くとオフを示します。
また、キーフレームを打った後、タイムラインパネルをクリックしないと反映されない場合があります。でもキーフレームは打たれていますので安心してください。

あと属性マネージャの座標にある、写真のピンク枠内、『P.X~P.Z、S.X~S.Z、R.H~R.B』の各ボタンに注目してください。先に説明したキーフレームを記録するアイコンですが、写真のように "アイコン" の周りが赤くなったものは、タイムラインのどこかにキーフレームが打たれていることを示しています。

 さらに "◇" アイコンの中まで色づくときは、再生ヘッドがそのキーフレームと重なっている ことを示します。このときに "◇アイコン" 押すとキーフレームが削除され、それ以外のときに押すと、現時点での数値でキーフレームが打たれるのは AEと同じです。



 AEに慣れている人からすると、ボタンが多くてそれぞれに使い方が異なるので、戸惑うかもしれません。

 例えば写真の [1]のボタンを押すと[4]、[5]、[6]でオンになっている座標値が打たれると説明しましたが、これは数値に変化があろうがあるまいが、キーフレームが必ず打たれます。回転させたけど、位置は変わってない、というような場合でも[4]と[5]がオンになっていれば、位置と角度のキーフレームが打たれます。変化なしの同じ値なので問題はありませんが、タイムラインの上に無意味なキーフレームがどんどん増えていき煩雑になって来て修正するときに混乱します。

 変化しない座標を打たないように、[4]や[6]を状況に応じてオン、オフと切り替えていけばいいのですが、アニメーションが複雑になってくるとそれも煩わしいです。

 ならば、属性マネージャで示す座標値の左横の "◇アイコン" を押せばいいのですが、今度は押し忘れが発生します。押し忘れると再生ヘッドを次へと動かした途端、オブジェクトがもとの位置に瞬間的に戻ります。時間をかけてちょうどいい位置にオブジェクトを配置した作業が一瞬で消し去られてしまうと人生真っ暗になります。

 押し忘れた自分が悪いのですが、AEでは数値を変化させれば自動的にキーフレームが打たれましたので、AEから移行してきた人は、ついボタンを押すのを忘れてしまうというアクシデントに見舞われます。

 でもご安心ください。C4D Lにもそれがあります。[2]の【自動記録】ボタンです。これをオンにしておいて、あとは記録する座標ボタン[4]、[5]、[6]を選んでオン。それ以後はひたすら再生ヘッドを移動させて、オブジェクトの座標に変化があれば、自動的にその値がキーフレームとして打たれていきます。


《補足》
【自動記録】ボタンの対象になるのは、一度でもキーフレームを打ったパラメータです。まったくキーフレームが打たれていないパラメータに対してその数値を変更しても、自動ではキーフレームが打たれません。この辺りをさらに細かくコントロールするのが、[3]のボタンでしたが、Lite版では複雑さを防ぐため凍結されています。

 AEと同じ雰囲気で作業をしたいのなら、これを使えばベストですが、実はこの【自動記録】ボタンは要注意ボタンです。AEではあり得ないところにある設定値の変化までキーフレームとして記録できるボタンです。

 例えば何かの間違いでマテリアルの【明るさ】のパラメーター横にある "◇アイコン" を押してしまって気づかずにいると、それ以降、マテリアルで【明るさ】の調整をするたびにキーフレームが押されていき、いつの間にか、アニメーションを動かすと、特定のマテリアの色が変化する、なんておかしな現象が発生してしまいます。
 その人にはキーフレームを打った記憶が無いので、原因がわからず、さんざん悩むことになります。

 このような特殊な用途に向いた【自動記録】ボタンですので、C4D Lのキーフレーム操作に慣れるまでは、【自動記録】をオンしないほうがワタシの経験上いいのではないかと考えています。しかし細かい設定値にまでキーフレームが打てるということは、ある意味強力な武器になることは間違いありません。




【結論です】

AEのキーフレーム作業に慣れた人が、とてつもなく戸惑う点は次の事柄だと思います。

・デフォルト設定だとタイムラインのトラックエリアに並んだオブジェクトと OM(オブジェクトマネージャ)に並んだオブジェクトとが連携されていないので、頭から煙が出ることがしばしば。

・意識的にキーフレーム記録ボタンを押さないと、一切キーフレームは打たれない。
・自動記録ボタンが押されているのを忘れたら悲惨な目に遭う。


 しかし C4D Lの仕様だと認識して慣れてくると、別にどうということでもなかったように感じてきます。そして最終的には属性マネージャのパラメータ左横にある小さなキーフレームボタンだけで済ませることができるようになっています。

 例えば【位置】の『P.X、P.Y、P.Z』の左横にある "◇アイコン" を押す動作ですが、3点同時に押す方法があります。それは『P.X』と書かれた文字の『P』の部分を左クリックすると、『P.X、P.Y、P.Z』の文字全部がオレンジ色のハイライトになります。このときに、どれか一つの "◇アイコン" を押すだけで 3点同時にキーフレームが打たれます。

 これは【アニメーションツールバー】に並んだ各種ボタンのうち、[4]の【位置】を選ぶボタンをオンにしたのと同じことです。また、『P』ではなく、『X』の文字をクリックしたあと、『Y』を『Shift+クリック』すると『X』,『Y』がハイライトになり、 "◇アイコン" を押すと『P.X』と『P.Y』だけにキーフレームが打たれます。
 この便利な方法はまだあります。『P.X』の『P』をクリックした後、『R.H、R.P、R.B』の『R』を『Shift+クリック』で『P.X、P.Y、P.Z』~『R.H、R.P、R.B』までの範囲が選択されて、どれか一つの "◇アイコン" を押すだけで、今度は 6点のキーフレームが一度に押されます。これを利用すると、いちいち【アニメーションツールバー】に並んだ各種ボタンを制御する必要がなくなり効率が上がります。


 このように、AEとは似て非なるタイムライン仕様ですが、意外と細かいところに手が届く設定があることに気づかされます。イーズの設定も AEより滑らかな動きが可能ですし、 "リップル編集" は AEにもない機能です。ぜひマスターしてください。

 しかし、AEとはかなり異なるキーフレーム操作なのは間違いありません。最初は戸惑うのは当然で、どうしても辛抱ならんと思われる部分がありましたら、【【5】トラブルコレクション → タイムラインのトラブル】もご覧ください。解決策が掲載されているかもしれません。





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