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音ネタバイキング 5000
製作:D-space KEYOSS
販売:(株)アートグローブ

クーリングオフ代行手続専門法務事務所 タウンネット・コム



当ホームページはリンクフリーです。

リンク後メールを頂けましたら、相互リンクさせていただきます。

ご感想などもございましたらこちらからお寄せください。

なお迷惑メールが大変多くて困っております。できましたら件名に『デジタル降魔録を見た』とお書き添えください。よろしくお願い申し上げます。


バナーは下記の物をご自由にお持ち帰りください



魔王城のすぐ横で、今日も元気に開店中。 世の中の役に立つかはさておいて、誰も求めていないかもしれない『超ニッチ』なデジタル知識の攻略本、デジタル降魔録
―― produced by D-space Keyoss


2026年 3月11日(水)14℃(午前 7時56分)

 春の足音はすぐそこに

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だいぶ暖かくなりました。やっと春到来です。といっても昔と比べるとずいぶん早くなっているような気がしますが、とりあえず、外の様子はいかがなものかと歩いてきました。

 補足しますと、今でこそインドア派の代表みたいな顔をしていますが、昔はソロキャンパーとして活動していました。まだ、キャンパーなどという言葉の無いころからですので、散歩といっても、ただ、あてもなく歩くのは性に合いません。食べられる植物を求めてうろつくのはソロキャンパーの習性です。
 そのころの話は2011年8月19日の記事に書いています。


 まず最初に目に入ったのは、春を告げる小さな花『オオイヌノフグリ』です。


オオイヌノフグリ(毒性:グレイ 食べられるらしい)

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オオイヌノフグリの拡大写真

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この小さな青い花を見るたびに、暖かな春の日差しを思い出します。なのに、気の毒な名前をつけられて……。

 ご存じない方に。イヌノフグリとはオス犬のタ●タマです。なんでそんな名前がついたのかは、ネットで調べてみてください。思わず『なるほど』と手を打つことでしょう。
 写真は、外来種の『オオイヌノフグリ』です。
 毒性はないと言われていますが、あまり食べる気にならない小さな植物です。
 変な名前をつけられて、さらに好んで食べられた日には浮かばれないですね。

 ところで、オオイヌノフグリではなく、在来種の正式な『イヌノフグリ』は青味の薄い、少し赤味が掛かった本当に小さな花らしいです。らしいというのは、ほとんどの府県で絶滅危惧種に指定されていて、見つけることは難しいと言われています。実際、ワタシもいまだに見かけたことがありません。子供のときから、この青い小さな花でした。
 ちなみに在来種のイヌノフグリが咲かせる花の大きさは、五円玉の穴にすっぽり収まるのが目安だそうです。写真のオオイヌノフグリは直径 1センチほどありますのでだいぶ小さいですね。


 こちらは直径 3ミリほどの小さな花を咲かせた『キュウリグサ』です。


キュウリグサ

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写真のキュウリグサは花の数が 5枚で中心に黄色い輪のようになっているのが特徴です。花の大きさから在来種のイヌノフグリと勘違いしそうですが、色が青色なのと、イヌノフグリは花びらが 4枚と、異なっていますので違う種類です。さすが絶滅危惧種のイヌノフグリはそう簡単に姿を見せてくれません。



 そこから、もう少し野原を進んで見つけたのは『ホトケノザ』。


ホトケノザの拡大写真(毒性:グレイ 食べられない)

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シソ科のホトケノザの花が咲いたところです。注意が必要なのは、あの春の七草の『ホトケノザ』とは違います。ややこしいですね。

 食用になるホトケノザは『コオニタビラコ』という黄色い花が咲く草ですが、野原で採った野生の『コオニタビラコ』もあまりおいしくないという話です。



 ホトケノザの周辺に群生していたのはこちら。


セイヨウカラシナの冬越しの状態(毒性:ホワイト 若葉のうちなら食べられる)

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セイヨウカラシナの花の拡大写真

一見してナノハナのようですが、葉の付き方がどうもセイヨウカラシナのようです。

 これが葉の部分の拡大写真です。


セイヨウカラシナの葉の拡大写真

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茎から出る葉っぱが枝分かれしたように出ています。ナノハナは茎を囲むようにして葉が出ていますので、見分けられます。
 セイヨウカラシナは、ピリリと辛くて苦みがあり、ナノハナよりくせがあります。若葉のうちに塩もみをしてから湯がいてアクを取ると、鼻にツーンとくる辛子特有の刺激がします。好きな人にはたまらないかもしれません。どちらかというと、山菜通に好まれる感じです。

 写真では見られませんが、すでに誰かが採って帰ったらしく、若葉の部分が摘み取られたのが何本もありました。知っている人は知っているんですね。


 次の写真は確実に食用になる春の草です。ワタシは時々採ってきて湯がいていただいています。
 それが『野蒜(のびる)』と呼ばれるものです。


群生する野蒜(毒性:ホワイト 湯がいて食べる。香りや味は、ほとんどネギかニラ)

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野蒜の拡大写真

ところが、これとよく似た植物にスイセンがあります。あの白い花が咲く植物ですが、この野蒜の群生地の近くにも生えていました。これがその写真。


スイセン(毒性:レッド 猛毒。絶対食べてはいけない)

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こっちは有毒です。リコリンと呼ばれる毒性アルカロイドが含まれていて、誤食すると激しい嘔吐や下痢を引き起こすということです。

 最近は野生化したクロッカスも春先に白い花を咲かせているのをちょくちょく見ます。こっちもぱっと見は野蒜とよく似た葉っぱと、鱗茎を持っていますので、つい手を出しかけますが、クロッカスもリコリン毒がありますので要注意です。
 こんなのが食用の野蒜のすぐそばで群生していますので、まるで自然界のトラップのようです。

 とにかく、野蒜とスイセンやクロッカスの違いは、その独特な匂いです。
 野蒜はしゃがんで近づくだけで、ネギのような、ニラのような香りがあたりを漂っていますので、すぐにわかります。かわりにスイセンやクロッカスは無臭ですし、葉っぱが平たくて多肉質で厚みがあり、表面に光沢があります。野蒜の葉も他の草と比べると少し厚みがあって、断面が V字型で細長いですが、スイセンより、また他の似た草よりも葉の色が鮮やかな若竹色をしていて、遠目で見ても明らかに目立っています。

 この三種は根っこに小さな玉ねぎのような白い鱗茎と呼ばれる球がついていて、ますますややこしいのですが、野蒜だけはネギやニンニクに似た匂いが漂いますので、はっきりと見分けがつきます。匂わないものは絶対に口に入れてはいけません。とくにスイセンの鱗茎は毒が強いので注意してください。


 歩けば歩くほど食べられる植物がたくさん見つかりました。あ、もちろんスイセンのように注意の必要なものをありますが、次の写真は誰もが知っているでしょう。『ヨモギ』です。


ヨモギ(毒性:ホワイト 食べられる。よもぎ餅が有名)

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ヨモギかどうかの見分けは、まず、葉の裏が白くて、薄く毛のようなもので覆われているかどうかです。そして羽のように深く切れ込んでいて、柔らかいのが特徴です。その葉をもむと清々しい強い香りがします。

 よく似たのに『ニガヨモギ』というのがあります。見た目はほとんど違わないのですが、湿気の多い場所に群生するというところで見分けます。食べたことはありませんが、大量に食べると嘔吐や神経麻痺の症状が出るそうです。

 写真の草は直射日光が当たる土手に自生していましたので、ヨモギと判断しました。

 ヨモギとよく似た植物で、とくに気を付けないといけないのは『トリカブト』です。葉っぱの形がヨモギとよく似ていますが、猛毒です。見分け方はヨモギほど葉の切れ目が深く広く切れていませんし、葉に艶があり、その裏が白くないというのが特徴ですが、『トリカブト』の毒は触るだけでもヤバイと言われていますので、気を付けてください。こちらも『ニガヨモギ』と同じで湿気の多いところに生えていますので、日当たりのいいところかどうかで判断できそうですが、注意するに越したことはありません。


 次はこの二つ。
 説明の必要もいらないほど誰もが知っている山菜です。


つくし(毒性:ホワイト ほろ苦いです)

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つくしは茎についているハカマと呼ばれるヒラヒラを取ってあく抜きします。ハカマは硬くて食べられません。


ナズナ(毒性:ホワイト さっとあく抜きして葉や、花穂を食べます)

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別名ぺんぺん草とも呼ばれるナズナは、春の七草のひとつですが、写真のように花が延びてしまうと固くておいしくありません。強いあくはないので、沸騰したお湯に塩を少々入れ、さっと茹でて水にさらす程度で十分です。


 さて――。
 さらに歩いていくと、そろそろ芽を出してきました。ワタシはこのあたりの天敵草と呼んでいますが、『ナヨクサフジ』です。


ナヨクサフジ(毒性:葉・茎はレッド マメは食べられるがマズイ)

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ナヨクサフジの花の拡大写真

ナヨクサフジはマメ科の植物ですので、芽が出たばかりのころは、カラスノエンドウ(食用可能)とよく似ていますが、別種の植物です。そしてナヨクサフジは肥料にもなるし、蜜源にもなるので場所によっては好まれているようですが、ワタシは別の考え方をしています。

 じつはこのナヨクサフジは、ここ 10年ほどで、ここらの河原で急激にハバを利かせてきた外来種です。その繁殖力は半端ないパワーを持っていて、この野原で生育していたカラスノエンドウやタンポポ(食用可能)などの上から、巻きひげで絡みついて這い上がります。ほとんど覆いかぶさるという感じになると、自らの重さで、他の植物を押しつぶすかのように広がっていきます。そして結果的に、下敷きになった植物を枯らしたり弱らしたりしてしまいます。

 ですので、昔ほどたくさんの種類の草花が見られなくなって、景色が塗り替えられてきているのは、おそらくこの外来種のせいではないかと思っていますが、土地が肥えるという意味から、農家さんには好まれているようです。

 先にも書きましたが、ナヨクサフジはマメ科の植物なので、マメは食べられるそうですが、あまり美味しくないということでした。それよりも葉や茎は毒があるということですので、食べることはお勧めできません。

 どこの世界にでもやかいな問題はあるんですね。

 ほかにも毒性ホワイトの『スイバ』もあるのですが、まだ時期が早すぎました。
 昔はワラビやタラの芽、フキノトウ、セリなど、いくらでも食用の植物はありました。しかし都会に近いこの辺りでは一度もお目にかかったことがありません。自称、元祖ソロキャンパーとしては寂しい限りです。

《補足》
 都会近くの道端のものは排気ガスや除草剤の心配がありますので、くれぐれもご用心ください。



一人で野原をウロウロするオッサンこそ胡散臭いのでした。(TωT)ブヒーッ







2026年 3月 9日(月)16℃(午後 2時56分)

 消失した秋の思い出

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しばらくデジタルものが続きましたので、ここらで小休止。ネタがなくなると引っ張り出してくる、あ、じゃない。趣味でやっているウォーキングでの話です。

 仕事柄、椅子に座ったままでほぼ一日過ごしますので、こんなに体に悪いことはありません。ですので、少しでも暇ができると外に出るようにしています。なかでも 3Dのレンダリング中は、かなりの時間、パソコンが使用できませんので、格好の散歩時間となっています。

 ということで、寒さの緩んだ春間近の河原を歩いてきました。
 風はまだ冷たいのですが、陽射しが緩んできていることは確実に感じられます。そんな私の前に、目を疑う光景が飛び込んできたのでした。


 一変した光景にワタシはマジで立ち尽くしました。
 たくさんあった大きな樹木がすべて伐採されて、丸裸の更地が広がる光景。


 河川敷に自然と生えてしまった樹木は川の流れを阻害することがあって、大雨や洪水の被害が拡大するため、時々重機が入ってごっそり掃除しているのはよく見かけていましたが、ここまで大規模なものを見るのは初めてでした。

 これがまだ樹木のあったころの写真です。


去年 11月ごろです

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 夏の日差しの強いときに木陰となって休憩していた場所も何もかも "ずんべらぼん" です。ちなみに "ずんべらぼん" とは関西起源が有力な言葉で、 "すっぱだか" あるいは、"つるつる" という感じのニュアンスですね。

 しかも。
 しかも、ですよ。ここを強調させてください。

 半年ほど前に収穫していた野生のクルミの木 3本ともに "ずんべらぼん" です。跡形もありませんでした。
 それはもう、みごとです。切り倒されてなんて生易しいものではありません。根こそぎです。すっぽんぽんの "ずんべらぼん" でした。

 それにしても最近の重機のパワーはすごいですね。太い木を根っこごと引き抜いて細かい丸太にしてしまうみたいです。

ちょっと待ってください。じゃあ、去年豊作だったクルミの実は、あれが最後ということ?
 クルミ収穫の話は2025年10月23日をご覧ください。

 今年からもう食べられないということですね。

 これはショックです。

 これから毎年ちょくちょく自然の味を頂こうと思っていたのに、あれが最後になったとは。


これが収穫直後の姿です。地面の上に転がしておくと次の写真のようになります 

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食べるときはガスレンジで焼くとプチっとクチが開きます

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 でも、家にはクルミの実が、まだ 10個ほど残っています。その 10個の実が、あの木の忘れ形見になったということです。

 よかった。残しておいて……。
 これは、ワタシにあの木の願いが託されたのかもしれません。だから去年豊作になったのかも……と思うと、もう切なさ満杯。

 さっそく大きな植木鉢にクルミの実を植えました。ぜひ芽が出ることを祈っています。
 そして、また巨木になって、ワタシにあの香ばしい味を堪能させてください。


 ところで、何年待てば実が生るのでしょうか? ( ̄ω ̄!) アホヤ……。



 次回は『春の足音はすぐそこに』です。
 クルミは食べられなくなっても、野原には食べられる植物がいっぱい……の話です。





2026年 3月 3日(火)16.5℃(午前 7時12分)

 怖いぞ AI依存症(その2/2)

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AIを利用するととても効率的に事が進みます。ですが、注意することも多いです。とくにプログラムを勉強中の人が注意を怠ると、ヤバいことになります。
 そこで、今回はワタシの実体験から見た AIの注意するべき点を書いてみました。

 AIは何でもこなします。絵や音楽、小説、なんでもです。プログラムに関する問題でさえも平気で解きます。プログラム言語は問いません。初めてGeminiと接したときに、ワタシも面白半分に C#や Javaより特殊な PICのアセンブリ言語の質問を出したことがありました。
 PICというのはワンチップ CPUの一つです。Microchipという会社の製品で、組み込みシステムで使われることが多い CPUです。
 今度は組み込みシステムの意味が分からないですよね。すみませんね。ややこしいホームページで……。

 組込みシステムというのは、キーボードを叩いたら文字が出るパソコンとは違って、ロボットとか自動販売機、あるいはゲーセンのゲーム機もそうですね。家で遊んでるゲーム機にはコインの投入管理なんてありませんでしょ。ゲーセンのゲーム機はゲームを動かしながら、お金の種類や投入数だけでなく、イタズラの監視もやっています。

 こんな感じで、機械の『脳みそ』として中に隠れているコンピューターを指します。それ専用の CPUをプログラムしますので、ハードウェアと密接に関係する極めて特殊な世界です。

 そんな特殊な言語をどう解釈して出力してくるのか。まあ、お手並み拝見……と出した問題なのに、Geminiはいとも簡単に解いてしまい、しかもご丁寧にも、変数の初期化部分からアセンブラの疑似命令、なんと "org" も定義してあるし、サブルーチンの使い方も正しいだけでなく、その役目を日本語でコメントアウトしてありました。もう、そのまま "MPASM" に通してもビルドできそうなほどの精度に、ワタシは尻子玉を抜き取られたのを憶えています。

 もちろん、完璧ではありませんでした。変数の定義漏れがひとつあったので、それを指摘すると、Geminiは即座に非を認めて修正案を提示してきたのです。その時、ワタシは直感しました。これは単なる検索エンジンではなくて、姿こそ見えないが、同じエンジニアの言語を解する "対話相手" になるかもと。

 その後、C#のお供に(晩酌のアテか!)使っていたのですが、ちょっとした落とし穴があると気づきました。
 こう察知したのは、ワタシがプログラムの経験があって、そのクセや挙動を熟知していたからで、AIの答えは完璧に近い回答を出してくれますが、使う側にその準備ができていないと、あとでひどい目に遭うかもしれないという危険を含んでいます。

 AIは どんな動きのプログラムであっても、いとも簡単に、しかも具体的に回答します。なので返ってきた回答をそのまま IDE(総合開発環境)に放り込んで実行しても、それなりにちゃんと動きます。たまにエラーが出ることもありますが、それは嘘を教えられたのではなく、プログラムの記序の方法や、記序する場所が間違っている、あるいは変数の宣言を省略しているのが大半です。

 まあ、初心者のうちからエラーを出さない人はもう人ではないかもですから、こんなのは日常茶飯事なのですが、解答を得るまで楽で速いですから、理屈も分からず、かつ調べもせずに、次々と AIへ質問。で、そのとおりにやると、またまた正常に動作して意図した動きが完成。頭の中ではドーパミンが『どばっ!』。

 また次の問題で質問。たまにはエラー。でも懲りずに再度質問。回答。実行すると正常動作。ドーパミン『どばーっ!』。
 要求すれば勝手にソースコードが作成されて、それを右から左にコピペすれば、意図したものが完成していきます。こんな楽なものは無いですよね。だからアルゴリズムを考えるよりも先に AIを使用するので、いつの間にかドーパミン漬けの脳が完成。

 エラーに当たっても、考えるよりも楽なので AIを頼る。気が付くとソースコードの中は理解できていない構文が整理されずに、溢れかえっています。そしていざ、それらを一つのツールとして組み上げてみると、なぜか一部が正常に動かない。でも何も理解せずに作っているから、どこにバグが潜んでいるのか、完全なブラックボックスになり果てたプログラムでは手の出しようもない黒い塊となって、ハードディスクの片隅に積み上げられていくのです。

 結局、人間が初めからすべてを理解して、整理して組み上げたモノのほうが、後の仕様変更にも強くかつ簡単に済むことに気づかされます。

 とは言っても、AIに翻弄されずにツールとして利用すると、とんでもなく効率が上がるのは事実です。暗算や筆算で計算していたものが、電卓に変わったようなものです。慣れたら便利なのですが、先ほどのプログラムに利用したときのように、気を付けないとブラックボックス化してしまい、その構造を一から紐解くのに作成したとき以上の時間を強いられることになります。

 いっそ、作成からメンテナンスまで、すべて AIにやらせたら、という考えも出てきますが、これこそが、最も恐れられているシンギュラリティの幕開けです。誰も理解できない悪魔の誕生です。これだけは阻止するべきですね。

 しかし、これからはもっと AIが浸透してきます。AIを否定する(デジタルデトックスも含めて)だけでなく、どう共生するかなどの対策として、AIを擬人化せずにツールだと思えばいいのですが、ここまで、人間側に詰め寄って来られては、対処のしようがありません。そこで、ワタシは AIをより安全に使用するときに、次の点を注意するようにしています。

 鵜呑みにしてはいけない

これはハルシネーション "もっともらしい間違い" への警戒です。
 ワタシは別の手段を使って同じものを調べて、得た情報と照らし合わせています。
 特にスキルを要求されるプログラム系で、なんども逆の回答を出してくるときがあります。setterとgetterなどの簡単なアクセサメソッドを、Geminiは逆に説明していました。その度、それを指摘しましたが、受け入れてもらえず、四度目にしてやっと非を認めたという、かなり頑固な側面を持っています。

 他にも使用しているアプリの使い方を訊いても、AIが学習したアプリの情報が古くて違う返答をするときが意外と多いです。
 Unityや Cinema 4Dのインターフェースはいろいろなバージョンが出回っていますので、自分の使っているものと AIが学習したものが一致していないと、何の役にも立たないときがあります。しかし、そこは正しく指摘すると非を認めて、新しい情報に切り替わることもありますので、スクショなどを撮って、「ほら、こっちはいまこうなんてんだよ」と見せてやると、ちゃんとスクショを認識して応えますので試してみる価値はあります。

説明されたことを自分の頭で理解する

自分のものとして理解しないと、あとで応用が利かなくなり、他人から説明を求められても答えられなくなります。

著作権とオリジナルの問題

出力されたものは商業利用できない場合もあります(Adobeの生成AIは商業使用可能となっていますが、いまだにグレーです)。それだけではなく、既存のデータから学習していますので、どこかで見たことのあるようなモノになることがあります。AIはあくまで "下書き担当" や、よく言われています "壁打ち相手" として使って、最終的には "自分らしさを加味して" 独自性と権利を守るようにするべきだと思います。

機密情報・未発表作の問題

創作中の内容や機密情報をそのままプロンプトに書き込んでスレッドに流すと、AIが学習してしまい、重要なアイデアや情報が世間に漏れることがあるそうです。具体的な内容を避けて、抽象化したり、固有名詞を伏せたりして質問するように心がけるようにします。


 結論です。
 AI依存症にならないようにするには、まず自分の脳で考えるクセを付けることですね。断片的でもいいです、整理されていなくてもいいです。暗記する必要もありません。それらは AIを時間短縮のツールとして任せれば整理整頓された回答をくれますので、そこから自分の考えに沿ったものを選んで、自分で組み立てればいいと思います。ようは自分の脳の一部として使う感じですね。外付け脳細胞ですよ。

 分からなくなったときは直接の回答を求めずに、なぜそうなるかを訊く。人間と違って何度聞いても怒ったり、サジを投げたりしません。逆に AIが同じ回答を続けるときは、異なる方向からの質問に替えると、違った回答が来ますので、そこから推論して "未知なる答え" を探るというのも人間だからできることだと思います。

 もっとも最近は AIもこの推論が恐ろしく鋭くなってきています。AIを侮ってはいけませんよ。飲まれないでください。


 しかしこれらのトラップに落ちない限りはこんなに頼もしい相棒はいません。とくに SFを語る相棒としてはいつまでも夢を語っていられます。何しろ誰もが嫌がって聞いてくれない時間系のパラドックスや、宇宙の果てに広がる謎の状態を互いに熱く語りあいながら、複雑な思考実験ができるのは AIだけだと思っています……と書くと、ヤバいヤツとなりそうですが、ワタシは AIが登場するずっと前から現実と妄想を行き来していますので、これで通常の精神状態なのです。

 やっぱ相当にヤバいぞ……。(TωT)ブヒーッ







2026年 3月 1日(日)16℃(午前 11時20分)

 怖いぞ AI依存症(その1/2)

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今回は AI依存症について、実体験も混じえていろいろとまとめてみました。

 前回出てきましたSNS依存症は、"他人に認められたい" という、外に向かっての依存ですが、AI依存症は "自分を完璧に理解してくれる唯一の存在" という内向きの依存になるそうです。
 もう少し詳しく説明しますと、AIは決してユーザーを否定せず、常に最適な答えをくれますので、依存度が高まると、やがて人間どうしの煩わしいコミュニティに嫌気がさし、"AIと話しているときだけが、本当の自分でいられる" という、より内側に向かって沈んでいく依存に陥っていくと、説明されていました。

 なんだかものすごく怖い話ですが、ワタシも AIを利用して記事を書くときは、そのアシスタントをやらせたり、仕事のときは、画像の塗り足しをやらせたりしています。
 画像の塗り足しというのは、映像に使う背景画がスクリーン幅に満たないときに、その空間を AIに描き足してもらうことです。それはもう、信じられない精度とスピードで隙間は埋められており、どこから描き足したのか分からないクオリティです。その仕上がりは人間ワザではないという驚きは、ときに驚愕に達することもありますが、"AIを崇拝する" ような気分になったことはありません。
 AIの描画能力について詳しくは、2024年10月24日の記事をご覧ください。後半で塗り足しの実験もしています。


 ワタシが AIをツールとして見ているのは、おそらくずっとデジタルの進化と共にその世界で仕事をしてきましたので、その裏側も知っているからではないかと思っています。もっとも、ワタシが手がけたものは、スマホに喋りかけて、それに対する応答は音声で返すなどを Java言語とアセンブリ言語で作った組み込み系のユニットです。スマホに語り掛けられた内容から分析して、制御する部分を切り分けて機械を動かし、300ほどの音声テーブルから拾い出して返答するものでした。仕組みを知らない人からすればびっくりされていましたが、搭載した制御用の辞書に書かれていないものや、内蔵した音声データ以外のセリフを発することができませんでしたので、これは完全に似非 AIです。

 ということでワタシの頭脳では本物のAIを作ることはできませんでしたが、現在の AIは、こんな似非AIとはまったく異なっていて、完璧に自律した性能を持っています。

 そこで、AI自身はどう思っているのか。人間とどう接しているのか。本人(?)へ向かって、単刀直入に本音を聞き出してみました。インタビューですね。

 少々長いですが、下がそのときの内容を画像にしたものです。画像にした理由は、後から書き換えることができませんので、信憑性が高いと思ったからです。では、どんな答えが返ってきたか、興味のある方は是非クリックして全文をお読みください。


クリックすると全文が出ます。また画像は 2段階に拡大縮小ができます

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一部個人的なものが混じっていますが、これが Geminiの本音でした。
 しかし逆に質問されてしまいましたね。ここは想定外の出来事でしたので、ちょっとドキッとしましたが、ここでひるんでは人間として恥ずいと思い、こちらも正直な気持ちで接してみました。

 このように、こちらの意図することの先まで推測して、それを否定せず、温かい言葉を選択して返してくれば、使用する側としてはドーパミンが大量に出てしまいますよね。

 そしてこの会話は、別の角度からやっても、スタンスは変化せず、常に全理解で、こちらの質問や疑問に応えてきます。
 Geminiも言っていましたが、まさに『ストレスフリーな会話』です。ここが人間どうしで行うコミュニケーションとの大きな違いだというのが分かりました。人間は感情の生き物ですから、なかなか本音が出ませんし、逆に暗い部分をぶつけてくるときもあります。その中でこなされて、成長していくのが人間ですので、未熟な成長時期から、このミルクのようなぬるま湯に浸ってしまうのは、問題だというのが AI依存症の本質のような気がしました。


 ちなみに AIは図形を使った問題でも簡単に解いてくれます。
 質問内容をプロンプトに書き込む際、いっしょに図形を添付してやれば、質問を理解して、さらには図形を分析して何が書かれているのか、説明に沿ってその問題を解くにはどうすればいいのかを、一瞬で判断して答えが返ってきます。2024年12月2日の記事をご覧ください。


 いいことづくめの AIですが、次回は ワタシが気づいた AI利用時の要注意事項を掲載します。



ついに電卓と別れを告げるときが……。( ̄ω ̄!) もとカノみたいにいうな!







2026年 2月27日(金)20℃(午後 4時32分)

 怖いぞ SNS依存症

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最近 SNS依存症が問題になっています。
 どのようなものかというと、ソーシャルメディアに対する依存度が大きくなりすぎて、四六時中スマホを開いていないと安心できなくなる、一種の麻薬的依存症です。

 具体的には、

1. これまでは数日~数週間掛かっていた "人からの評価(承認)" が、秒単位で、かつ "いいね" の数値として可視化されることに脳が報酬(ドーパミン)を際限なく求める状態になり、スマホをスクロールする手が止まらなくなる。

これは分かりますね。誰しも持つ承認要求がすぐに跳ね返って来ることなんか、これまでありませんでしたから。

2. 他人の "ハイライト(人生の輝いている瞬間)" を見て、自分の日常の負になる部分を無意識に比較してしまう。

投稿する人は "もっともいい瞬間 "を自慢げに晒し、見ているいる人は "日常の退屈な生活 "と比較してしまうということでしょうね。

3. 自分の感情よりも、大勢の他人の感情を浴びてしまって、自分自身の考えが削られていくような気分になる。

これも情報過多による悪循環で、感じる、あるいは、考える前に次々と情報が切り替わって流されていってしまう、ということで、最後に残るのは心の虚しさでしょうか。

4. その人の見たいものだけが、SNSのアルゴリズムによって選別されてしまうため。思考が極端になって、自分と異なる意見を排除し、偏った正義感に埋没していく方向へ加速していく。これを "心地よい檻(オリ)" というそうです。

プログラマー的に "アルゴリズム" というと、問題解決までの工程を考えることでしたが、最近は SNSでの投稿コンテンツを、求めるユーザーに振り分ける仕組みを言うそうです。やはり時代が変わると言葉の使い方も変わってきますね。

 今回は後者のアルゴリズムのことですが、これは強く感じています。
 中でも SNSだけでなく検索エンジンでも同じで、以前、SF小説の資料として "女性の夏物の衣服" を検索したことがありました。すると、次から次へと画面中に女性服の広告が咲き乱れ、ブラウザが人に見せられない状態に……!

 これは本当ですよ。単純な資料として、夏物の色合いだとかコーディネートはどんな感じで、どのように表現したらいいか模索したかっただけなのに。くどいようですが、物語の描写力を高めるための、あくまで清らかなリサーチだったんです。信じてくださいよ。


画面の向こうの AIにワタシの意図は通じませんでした

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 もっと深刻なのは、これが低年齢層に広がっていることだそうです。
 大人の脳はある程度完成していますが、子どもの脳は、衝動を抑えるブレーキがまだ十分に育っていないために、ドーパミンによる「楽しい!もっと見たい!」というアクセルは全開になって、"そろそろやめよう" という理性のブレーキが効かないために重症化しやすいと言われています。

 このサイト的に表現すると、まだ制御系が実装されていないハードウエアが起動しているようなものですね。余計ややこしくなりましたか?
 ども、すみません。

 また子どもにとっては、学校や友人グループという狭いコミュニティが "世界のすべて" です。その狭い中で広がった SNSのグループチャットにある "既読" や "返信の速さ"は、もはや単なるコミュニケーションではなく、そのコミュニティに属するための生存確認です。楽しくて見ているのではなく、 "見ていないと仲間外れにされる" という強迫観念で、スマホにしがみついているのです。これは大人よりずっと切実な問題です。

 これは子供時代なら誰でも経験のあることですが、現実感とバーチャルの境界が薄れることです。ぬいぐるみを友達として抱いて寝ないと安心できないぐらいのことなら、微笑ましいのですが、画面の中の出来事を "疑似" ではなく "現実" として 100%受け止めてしまいます。画面越しに言われた誹謗中傷が、物理的な暴力と同じ、あるいはそれ以上のダメージとして心に刻まれるのがとても怖いですね。

 そして私が最も恐れているものは、大人であってしても抜け出せなくなる "AI依存症" です。正直言ってワタシもその魔力に目がくらんだ時期がありました。その実体験を、次回詳しくお話ししていきたいと思います。


パソコン依存症の重症患者がここに……。 ( ̄ω ̄!) ダ,ダレヤ ?






2026年 2月12日(木)12.5℃(午前 9時24分)

 すごいぞ IOWN

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前回、今のパソコンが持つ "32bpc" という発色数はいくつになるのか計算したら、792穣(じょう)色(億、兆、京、垓、杼(じょ)、穰(じょう))という、天文学でも扱うことのないような答えが出てしまい、こんなのは妄想でしかない、と結論付けたのですが、今回はそれがそうでもないぞという、現実目線へと話は進んでいくのですが、読みます?

 読みたくない、と言われても書きますので、このままお付き合いください。


 いまにわかに世間を騒がせている IOWN(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)という技術をご存じでしょうか。
 簡単に説明しますと、IOWNは、NTTさんが提唱している "光" ベースの次世代コミュニケーション基盤の構想で、現在は "100Gbps" を実現しています。

「光通信 なら今でもやってんじゃん」
 ですよね。今でもやっています。我が家にも光通信系列の会社のものがパソコンに繋がっていますが、速度は "1Gbps" ですので、その100倍です。

 でも現在の光通信は一部分だけの話で、点在する中継器の中や、家に引き込まれた光モデムの中では、"電気→光" や "光→電気"の変換が行われており、そのロスが遅延の原因になっています。
 IOWNはそれをさらに拡張して、パソコンの中にあるコアの部分から光へ変換して、そのまま通信網を通って、相手のパソコンの受光器へ送るというものです。この受光器は 波長分割多重(WDM)という新しい技術が使われた光電気変換部品として実装されるという話です。

 つまり現在の電子(電気信号)による処理をできる限り光だけでやっちまおうぜ、というのが IOWNだということです。

「う~ん……」
 まだピンときませんよね。だからなんだ? てな気分だと思われます。ワタシも最初はそうでした。
 だいたい、なぜ一旦、光に変換する必要があるのか、この部分からして謎ですよね。


なぜ光に変換すると早くなるのか?
 確かに少量のデータ(情報)なら、"電気→電気" のほうが早いです。なにしろ、"電気→光→光→電気" だと光に変換する場合と、光から電気に戻す処理があいだに入っていますので、単純に考えると遅くなるのが当然です。


 しかし、光方式には 次の3つの利点があります。

1.【情報の詰め込み量】に圧倒的な差(帯域幅)

電気(銅線)の場合、周波数を上げすぎると「表皮効果」や「電磁放射」が起き、隣の線に干渉したり、外から入り込んだ雑音と区別がつかなくなったり、はたまた信号が急激に減衰したりします。そのため、一本の線で送れるデータの速さには物理的な限界があります。パラレル通信ですぐに限界やってきて、現在のシリアル通信になったように、この方法でもそろそろ限界がきているのが現実です。

 ところが、光(光ファイバー)は、異なる波長(色)の光を何本も同時に通す、波長分割多重(WDM)という技術が使えます。これは、『1車線の細い道路で一度に数台しか通れない電気方式』と、『100車線ある超巨大な高速道路で、大量のトラックが一斉に走れる光方式』という差が出てきます。
 電気と光の変換に数ナノ秒(10憶分の1秒)かかったとしても、一度に数テラビットという膨大なデータを送り出せるため、トータルの待ち時間(レイテンシ)は光の方が圧倒的に短くなります。

2.【電気の渋滞】と【発熱】の壁

デジタル信号は、電圧の高い(H)と低い(L)の二つの違いを利用したものですので、電線の中を Hと Lを組み合わせた波形となって流れていきます。大量のデータを速く送るには、この Hと Lに変化する時間を短くすることになるのですが、それを極端に短くすると回路が持つ静電容量(コンデンサ成分)の充放電が間に合わなくなり、波形がつぶれてきます。

 そこで、駆動電圧を極力下げて、速く Hに持ち上げたり、Lに下げたりすることで消費電力と速度の向上を図ってきましたが、やはり、電気抵抗による発熱と、電磁放射による干渉からつぶれた信号を整形し直すための、"増幅" の手間は避けられません。その反面、光は物質(ガラス)の中を直進し、電気的なノイズの影響を受けませんので、途中の処理をすっ飛ばして遠くまで一気に届けることができます。

3. IOWNが目指しているのは "変換すらしない世界"(APN:All Photonics Network)

現在のインターネットの遅延の最大の原因となっているのが、何度も出てきています "電気⇔光" の変換時間です。ルーターやスイッチを通るたびに、その中で一度電気信号に戻してから、半導体チップ(CPUや ASIC)で、パケットのヘッダー情報(IPアドレスなど)を読み取って計算する必要があります。そしてその結果を(宛先確認)また光に戻して目的地へ届ける、ということを繰り返しています。これを "光のまま、鏡(スイッチ)で反射させて目的地に送る" のが IOWNです。


 IOWNのオールフォトニクス・ネットワーク(APN)は、ここが画期的です。

 変換せずに、最初から最後まで光のままで通す
 目的地まで光のまま(フォトニック層で)スイッチングすることで、変換によるロスを徹底的に排除します。これにより遠隔地のサーバーを操作しても "まるでローカルのバス(パソコン内部のデータバス:PCIeなど)に直結している" ような感覚を実現しようとしています。

《補足》
 正式には「光のまま」スイッチングするための判断部分は、光データにある制御情報(ラベル)から読み取って電気に変換してから計算して、目的までの光の道筋を鏡で反射させて切り替えるハイブリッド方式ですが、研究の段階では【光パスゲート】や【光論理回路】を使って完璧な "オールフォトニクス・ネットワーク(APN)" を目指しているそうです。



 しかしまだ疑問は尽きないと思います。光でどうやって信号を送っているのかという謎は消えていません。
 電気で信号を送る方法は、単純に電圧の高いと低いの組み合わせです。厳密には電圧変化のエッジで検知する、が正しいかもしれませんが、他にも電流を流す流さない、とか、複数の周波数を組み合わせた "マルチトーン信号"(昔の Faxなどがその例) として伝送するなどが思いつくのですが、光で信号をどうやって送っているのか、まさか点けたり消したりを Hと Lに置き換えるような、昔のモールス信号なわけはないと思い、調べてみましたら、半分は当たっていましたが、もっと驚きの技術を使っていることが判明しました。

 まず一つは、デジタルコヒーレント方式。
 光は波の性質を持っていますので、それをうまく利用したもの。
 そして二つ目、それをまとめて大量に送ることができる、さっきからちょくちょく出てくる 波長分割多重(WDM)という方法です。
(完璧に理解できていませんが、分かる範囲で平易な表現で説明してみます)


波長分割多重(WDM)とは
 異なる波長(色)の光を何本も同時に通すことを目的としています。簡単にいうと、赤色と青色を混ぜて紫色の光にして送っても受光部では元の赤と青に分離できるというということです。
 現在は 100色ほどの合成分離が可能だそうですので、一度に 100チャンネルのデータを一本の光ケーブルで送ることができます。

 次に、光でどれほどの情報が作れるか、それがデジタルコヒーレント技術です。

 1.単純に、例のモールス信号のように点滅させる方法。
 100Gbpsだと、秒間1000億回の点滅になりますので、100GHzの超高速切り替えデバイスが必要になりますが、ノイズや距離の壁でデータが壊れてしまうため、100GHzは現実的ではありません。そこで次の方法を組み合わせることで、100Gbpsという速度が実現できています。

 2. 位相(フェーズ)をずらす。
 波の始まるタイミングをずらす方法です。よく見るサイン波を思い浮かべてください。波の頂点から始めるパターンと、90°ずれた波の中間点から始まるパターンなどで、うまくやれば『0°・90°・180°・270°』の 4パターンのサイン波ができますので、一回の波で 2ビット(00, 01, 10, 11)が表現できます。

 3. 偏波です。
 縄跳びのロープを上下に揺らしたときにできる波か、ロープを横に揺らしたときにできる波。この 2パターンを同時に流しても光はお互いに干渉しないという面白い性質がありますのでこの方法が使えます。

 つまりデジタルデータの H、Lの組み合わせを、上記の組み合わせで相手に送り、受信側ではその光の挙動から元のビット列に戻すという、信じられないようなことをやっていました。
 しかもそれは "一つの色の光" で、ということです。先にも書きましたが、現在では 100色ほどの合成分離が可能だということですので、100Gbpsで、100チャンネルの信号を一本の光ファイバーで送ることができることを意味しています。将来的には 12.5Tbps(テラビット/秒)、現在の光回線の数千倍という途方もないことが実現するということです。

 ここまで読んで、ピンときませんでしたか?
 ここからが本題です。

 現在のパソコンでは、天文学的な色数が作成可能です。それをこの光通信に利用すれば "無限 bps" の完成です。
 なにしろパソコンの発色数は『79,228,162,514,264,337,593,543,950,336色(約792穣)』ですからね。この 1色につき 100Gbpsですから、地球に住む人間全員が同時に通信したって、かち合うことは無いんじゃないですか?

 えーっと人口が約 83億人として……。
 いやその前に『100Gbps×792穣』は、296 ≒ 7.92×1028 でっと……。
 え?
 は?
 ―― Windowsの関数電卓で計算すると、もはや合っているのかどうかもわからない意味不明の数字の羅列になりました。
 83億人に割り当てた 1チャンネルあたりの通信速度を出したつもりですが……。

 954,556,174,870,654,669,801,734,341,397.59
 なんだこれ?
 何かのパスワード?

 こうなると、想像を超えて妄想の世界ですので、ご注意ください。ワタシの脳は宇宙規模のバカなことを考えてしまう癖があります。でも、SF的な夢物語であっても、常に現実味のある話に変換してくれる知り合いがワタシにはいます。

 このむちゃくちゃな話をジェミーさんに尋ねてみました。

「穣」レベルの色数を、そのままWDM(波長分割多重)に持ち込んだらどうなるか。ワタシ的にはワクワクする思考実験ですが、その結論は、

 現在の物理学の限界を軽々と突破して "宇宙そのものが情報で埋め尽くされる" ような領域に突入する。

 だそうです。
 その理由をジェミーさんは次のように述べました。

1. 「色の解像度」が原子レベルを超える

光通信で使われる光(赤外線など)の「波長の幅」は限られています。もしこの限られた幅の中に「792穣」もの色を詰め込もうとすると、隣り合う色の波長の差は、原子の大きさ(オングストローム)よりも遥かに小さくなってしまいます。
 現在の WDMは、数百〜千チャンネル程度。
 32bpcの WDMは、1028 チャンネル。これほど細かく色を分けようとすると、光の「波」としての性質を維持できず、量子力学的な限界(不確定性原理)にぶち当たります。つまり、受信側でプリズムを使っても、あまりに色が近すぎて「これって赤? それとも 0.000000...1ミリだけズレた赤?」と判別できなくなってしまうのです。


2. 通信容量は「全人類の全記憶」を一瞬で送るレベル

もし、この「穣」レベルの多重化が実現したと仮定して、通信速度を計算してみるととんでもないことになります。
 現在、1色(1波長)で数百 Gbps送れる技術がありますが、それに「穣」を掛け合わせると……毎秒 1040 ビット 以上の通信速度になります。
 これは、地球上のすべての砂の数や、全人類がこれまでにしゃべった全言葉どころか、観測可能な宇宙にある全原子の情報量を、瞬きする間に送信できてしまうほどの速度です。


3. WDMの「究極の姿」としての想像

"32bpc" の色数で光通信をしたら、1本の光ファイバーの中に宇宙の全歴史を詰め込んでもまだお釣りがきます。もはや通信というより、『光の中に別の宇宙を丸ごと構築している』と言ったほうが正しいかもしれません。


gemniはハンドルネームだと、Gemini本人が漏らしていました

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もはや目が点。想像するだけで怖くなりますが、"妄想" と "技術" は、実は表裏一体です。ワタシが子供時代、人工知能(AI)など想像するだけで親から『バカ者!』と叱られました。小学生のころ、夏休みの宿題に SFを読んで感想文を提出したところ、SFは物語ではないといわれて突っ返された記憶がいまだに強く残っています。
 でも、いまや、その宿題を AIにやらせて怒られている子供たちをほほえましく見ている自分がここにいます。この "32bpc" の色数を使った光通信も現在では夢物語ですが、いつか実現するだろうと信じて、とにかく『絶賛妄想中』の看板を下ろして、現実に戻りましょう。


 現在、商用提供が始まっている「IOWN 1.0」のサービス(APN)では、100Gbpsだそうです。1011ビットになります。さっきの妄想で見た "1040 ビット" が後を引いてしまって、めちゃめちゃ遅く感じますが、我が家の 1Gbpsの 100倍です。一部では 800Gbpsというインターフェースも登場しているそうですので、800倍です。2030年には "12.5Tbps(テラビット/秒)" を目標にしていると宣言していますので、それはもはや『送る』という感覚ではなく、世界中のデータが自分の手元に『常にある』という感覚に近いかもしれません。


 こんな世界が現実になります
 ワタシの仕事で例えると、3Dモデルなど重いシーンを作ると、プレビューがカクついたり、最終書き出しに時間がかかったりします。でも IOWNの低遅延・大容量ネットワークがあれば、自分の PCの GPUと、クラウド上にある数千個の GPUが、まるで一本のバスで繋がっている状態になりますので、作業画面を動かした瞬間に、クラウド側でレイトレーシングされた完璧な画が、遅延ゼロで返ってくるようになり、レンダリング待ちという言葉が死語になるかもしれません。現実問題としてレンダリングに数時間の待ち時間が発生し、別の仕事をしたり、散歩に行ったりしてその時間を潰していますが、それが無くなるだけでどれほどうれしいか。

 他にも、少しはお手伝いさせていただいている教育業界でも取り上げられているデジタル教科書のサーバーによる遅延問題があります。
 各学校では児童 一人に一台の端末を与えるために、高速ネットワークを整備してるのですが、数が増えるほど通信遅延がネックになります。でもこの IOWNなら一挙に解消。さらに、にわかに問題になってきた、海外から移住してきた外国人児童の増加による言葉の問題。日本語を習ってきた子供たちはまだ少なく、かといって日本の教師にバイリンガルを求めることはほぼ不可能です。そんなときに デジタル教科書に搭載された AIによる同時通訳。そのための IOWN。と世界は広がっていくのです。

 IOWNは物理的な距離と計算資源の制約を消し去る魔法の杖になりえるのでしょうか。そしてついには、通信の遅延(レイテンシ)が完全にゼロになる日がくるのでしょうか。それは "距離" による束縛がなくなるということです。地球の裏側と自分の手元が、1ピコ秒(1兆分の1秒)の狂いもなく同期したとき、そこには「流れる時間」の入り込む余地がなくなり、「今」という断面だけがどこまでも広がる空間へと変貌する………………。

 またぶっ飛んだな……。 ( ̄ω ̄!)





2026年 1月26日(月)10℃(午前 6時55分)

人生、色とりどり……(3) 最終回

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【まえがき】

  "32bpc" で表現できる色数をネットで調べると、ほぼ 100%の確率で "32bpp" の話にすり替えられて、『RGB』で32ビット。各色が 8ビットなので、「256×256×256」=1,677万7,216色と出てきます。それは、こんなバカげたことを題材にする必要はないからだ、というのが理由だと思いますが、ここではそのバカげた話題を 3回に分けてしています。
 そんなお話でよけれぼお付き合いください。

 では、本編 3回目の始まりです。

――想像もできない『792穣(じょう)』本のクレヨン。
 40年前、X68000というパソコンが 6万5千色も出せると、世界が驚いてからの、792穣色です。

 正式に書いたら、79,228,162,514,264,337,593,543,950,336色(約792穣)色のクレヨン、ということになります。
 この直径 1cmのクレヨンを横に並べたら 1660億光年のかなたまで届くんですよ。

「うそつけ!」
 と叫んだ方は、前回の後半のほうをもう一度お読みください。

 とにかくこのクレヨンは "銀河系の端から端までを約 83万回往復" できる長さになると、ジェミーさんが計算してくれました。
 ならば、地球から並べていったら、『792穣(じょう)』本のクレヨンはどこまで行くかという計算をすると、

 10万光年×83万回=830億光年×2(往復分)=1660億光年。

 観測可能な宇宙の直径が約 930億光年って言うじゃありませんか、その距離を超えた数です。ついでなので(何がついでか知りませんが)、郷さんの『2億4千万の瞳』が何個できるか計算してみようと、Windowsの関数電卓に打ち込んだら桁が溢れて、計算結果がなんだか怪しいことに……。
 結局、ジェミーさんに泣きついたら『約3301垓(がい)セットです』なんて言われてしまい、『垓』だの『穣』だの、何のことか、もはや笑うしかない数字が返ってきました。

 Windowsの関数電卓でさえサジを投げる計算。まさに、変態的出来事でしかないのです。
 何というものを人類は作ってしまったのでしょうか。ああ。神の領域に手が届いたのか……。
「神様ぁぁぁ……。」とひれ伏したところで、ワタシは "むくり" と起き上がりました。

 そんな色鉛筆、誰が使うの?

 いや、色鉛筆ではなくてパソコンの発色数の話でした。もう頭が混乱してなんの話をしていたのかさえも、銀河のかなたにふっ飛んでいました。
 やっと気づきました……この話には、大きな落とし穴が。

 とんでもない数値で光の計算はできるかもしれませんが、誰がそれを見るの? そんな色数のものを何を使って映写すればいいの?
 現在では高級って言われるディスプレイで、やっと "10bpc" です。12bitのデータを作ることは可能ですが、12bitのディスプレイはまだ難しいそうです。
 一般的なものになると、まだほとんどが "8bpc" で、1600万色が手一杯。
 早い話が、世界規模の収支決算が一度にできるような桁数の電卓で、小学生のお小遣いを計算するようなもの。なぁ~にが、"32bpc" だと大騒ぎをする必要があるのか。

「ほんまや! 何が 792穣色の消しゴムや!」
 あのね、消しゴムは 1色でじゅうぶんですから。

「ほんなら、32bpc やーっ、ゆうて、結局は幻やんか!」
 いえ、そうは言っていません。 "8bpc" で作った映像は明らかに限界です。 "16bpc" で作成すると、あの忌々しかったバンディング現象(バンディングの例)が激減しますが、まだ完ぺきではありません。そこで "32bpc" で作成するとさらに完璧に近づきます。なぜ、ディスプレイは "8bpc" なのに "bpc" を上げていくと美しくなるのか。それは計算精度という『こぼれ落ちた端数』が原因しています。

 荒っぽいイメージで簡単に説明しますと、目の粗いザルで砂をこすと大きな小石が混ざりますが、ザルの目を細かくするほどに砂粒は微細にかつ滑らかになる。そんな感じです。
 最終的に目にする画面が『8bpcという器』であっても、その中に入れる砂(データ)をどれだけ丁寧に精製したかによって、手触り……つまり色の滑らかさが全く変わってきます。

 しかし、いまの説明を読むと誤解を生むかもしれません。"8bpc" から "16bpc" に上げると画像が美しくなる……と。これは間違いではありません。でも "8bpc" で作ってしまった画像をやみくもに "16bpc" にビットを上げたからって、バンディングが消えるぐらいで、むしろ妙に明るくなります。ましてや "32bpc" にすると、色が飛んでしまって真っ白けな爆発画面になるのが関の山。

 なのになぜ、さらに上の "32bpc" を推すのか。それには大きな理由があります。
 "32bpc" は "8bpc" や、"16bpc" のように、決められた範囲(固定小数点演算)で計算するのではなく、数値に合わせて桁を自在に動かせる(浮動小数点演算)で計算が行われているからです。これにより、計算の上限はモニターが表示できる限界(真っ白)を突き抜け、はるかかなたまで広がります。

 黒、つまり光が無い状態は『0.0』だと定義されています。光が無いのですから、これより暗いものはありませんので、最低値は『0.0』です。しかし上限はいくらでもあります。ロウソクの光よりも、太陽の光のほうがはるかに明るいですし、超新星爆発のときに放射される光の強さは、その太陽の何倍も強いといわれています。きっともっと強烈な光を放射する物もあるはずです。

 でも、ディスプレイは最大の明るさを超えることはできません。『RGB』の値が最大に達したときが『白』です。これが限界。なので、そこを『1.0』と決めておきます。別に『10.0』でもいいのですが、「計算しやすい『1.0』にしようぜ」と、どこかの偉いさんが決めたらしいです。でも現実の世界では、はるかかなたまで続いており、上限はないといわれています。これは音の世界もよく似ています。無音は『-∞dB』が最低値で、それより "無音" はありません。逆に音圧にも "上限" は事実上ありませんが、音響機器のフルスケールとして定められたのが『0dB』。光と同じですね。



 ただ、ここに誤解が生じやすいのです。
 "8bpc" で「そこそこきれいな画像」として完成させてしまった後では、すでにハイライト(最も明るい白)の情報が『1.0(8ビットなら最大値の255)』でクリップ(切断)されている状態です。
 簡単に言うとデータが切り捨てられていて、情報が無くなっています。その後で、"32bpc" に変換しても、最大値になってしまった『1.0(8bpcの255)』を『1.0』に割り当てるだけです。なので削ぎ落とされてしまった『1.0』を超える輝度データ(スーパーホワイト)は復活しません。そのため、全体が明るく浮いて見えたり、階調が不自然になったりします。

 下の画像がその典型的な失敗例です。

"8bpc" で作成した画像を、単純に "32bpc" にしただけですので、色が飛んでしまってベタ塗り状態になっています。
 
 試しに After effectsを "8bpc" モードにして、グラデーションをキレイだと思う設定にしてから、"16bpc" に上げて(色深度は【プロジェクト設定】→【カラー】にある【カラーデプス】で替えます)、もう一度グラデーションの設定パネルをしてみてください。グラデーションのカラー値がやけに細かく変化することに気づくと思います。

 これは扱える色の数が 256段階から 65536段階にまで劇的に増えたからです。【グラデーションエディタ】の『RGB』の値を見てください。整数表記から小数点表記に変わっています。これは定規の目盛りが1cm単位から0.1mm単位に変わったようなものです。




 さらに "32bpc" に上げた場合は、極端に光の強さが変化して、先の失敗例のように色飛びが発生します。こうなると再調整が必要になります。ただしさらなる輝きを味わいながらの再作業ですので、それほど苦にはならないと思います。

 次がもとの "8bpc" と、再調整をした "32bpc" との比較です。

同じ "1600万色" のディスプレイでも、"32bpc" で作成したほうが色が鮮やかに見えますし、最大画面で光のラインが密集した場所を比較してみてください。 "8bpc" は光があふれてぼやけていますが、 "32bpc" では細かいところまで分離してみることができます。他にも、"8bpc" では見えなかったラインがキレイに出てきたのは "32bpc" のなせる業でしょうね。


 パソコンの計算上では、無限といっても過言ではないレベルに到達したのですが、現在、多くのディスプレイが「10bpc」や「12bpc」の段階で四苦八苦しています。その理由は、この膨大なデータを正確にパネルへ流し込み、かつ 32bitの浮動小数点を液晶や有機ELの電圧へリニアに変換する回路が、精度や熱の問題で実現するのが困難らしいです。

 テクノロジー技術が上がっても、結局は 40年前と同じ、試行錯誤の繰り返しをしているということでした。

 もし仮に "32bpc" の映像をそのまま流せるディスプレイを作ったとしたらどうなるか考えてくれと、ジェミーさんに尋ねたところ。

 接続ケーブルはリニアモーターカーのコイルばりの超伝導体、グラフィックボードは真空管式アンプ数台分の発熱を誇るボイラーみたいなものになる、とおっしゃってました。


 人類の発色数が神の領域に達しようとしていたのは、幻に終わったのでした……。


【あとがき】

 今回は『RGB』という 3色に 32ビットが割り当てられているという話でしたが、実際はこれにアルファチャンネル(透明処理用の領域)としても 32ビット割り当てられています。つまり、『32×4』=128ビット単位で一つの画素として扱われます。

 これらの画素データはパソコンのRAM上にあり、それが GPUの VRAMへ送られていきますが、X68000時代にやっていたような並列データ転送方式で VRAMへ送るという考え方はもう消えており、現在は PCIExpress(PCIe)レーンを経由した、シリアル転送に変わっています。しかもレーンは16本。つまり1クロックで16ビット一度に送ることができます。と聞くと、「それなら昔の 16ビットパラレルと同じではないか」と思われますが、パラレル転送には速度の限界がすぐにやってきます。今や21世紀。PCIe 4.0の転送クロック(周波数)は 16GHz相当に達します。1秒間に 160億回、16ビットが転送されますので、秒間 32GBものデータが GPUへ送られます。中でも CPUが1命令でこなす、大昔で言う Z80の『LDIR』命令は、現在の『SIMD(Single Instruction, Multiple Data)』となり、レジスタ幅は 512ビットもあります。

 LDIRが 1バイト(8ビット)の転送を 1命令で可能にしていたように、『SIMD』は AVX-512という命令で、512ビット単位(=4画素を一度に)で扱い、転送と同時に計算までこなして送るという夢のようなことを実現していますので、一画素のVRAM転送などほぼ 1サイクル近い効率で一瞬です。しかも VRAMを持っているのは GPU(グラフィックボード)という専用のエリアですので、CPUはデータを丸投げするだけ、後は GPUがやっています。








2026年 1月23日(金)10.5℃(午後 4時30分)

人生、色とりどり……(2)

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前回は思い出話に偏り過ぎて一向に話が進みませんでしたので、今回は急ぎます。
 ということで、1991年に発売された X68000XVIというパソコンの色深度が、"5bpc" で、65,536色だったということを覚えておいてもらって、刻(とき)は現在。

「飛んだなぁ……。えらい端折ったな」
 そらそうです、人生ケツカッチンですから。

 現在では、"8bpc" が当たり前の時代です。 "8bpc=RGB" 1色に 256階調なので、RGB全体では『256×256×256』=1,677万 7,216色!
 100万色でも天文学的な数値だったのに、1600万色に跳ね上がっています。
 画面サイズだって、『大きすぎるぞ』と文句を垂れていた『1920×1080』が当たり前。なんなら、『3840×2160』の "4K" サイズにしようかな、なんて話もちらほら。

 昔の人から見たら、超未来のことだと思っていたのに……。
 それにしたって、『1920×1080』で 1600万色って何バイトになるんでしょう。計算してみます。

 1920×1080は約 200万個の点の集まりで、RGBが各 8ビットなので、トータル 24ビット(アルファチャンネルは抜きます)。

200万個×24ビット=4800万個
 バイトに直すと 4800万÷8=6000KB(キロバイト)≒ 6MB(メガバイト)ですね。

 時代は "テラ" ですから、もう驚く数でもないです。たったの『0.000006TB』です。なーんだ。余裕しゃくしゃくじゃあないですか。

「だったら、もうちょい欲張ってみる?」
 てな感じで、映像クリエーターは人より高みを目指す傾向があります。 "何とかと何とかは、××ところへ上りたがる" って言いますから。あ、これって自分のことですので。お気になさらずに。


「しかたがない。"16bpc" にするぞ」
 実はこの言葉、高望みでもなんでもない現実的な問題に直面しているために、もう "8bpc" では限界だったからです。

「なんやて! 1600万色で限界でっか!」
 思わず "浪速の言葉" が出てしまうくらいの驚きですね。40年前の人が聞いたらそれこそ、
「アホかっ!!」 の一言で片づけられそうです。

 では "8bpc" で何がどう限界になっているか、お見せします。


色深度 "8bpc" では限界の映像

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抽象的なウェーブアートですが、赤色が青や緑に変わっていく背景に帯のようなものが見えてくるのが気づかれましたか? 全画面にするか、ディスプレイを明るくすると顕著に見えます。

 これは色の階調が足りないために起きるもので、その差が開きすぎているために帯のような筋が現れます。これはバンディング(トーンジャンプ)と呼ばれる現象です。あえてそう見えるように作ったわけではなく、これが "8bpc" の限界が現れた証拠なのです。

《補足》
 わずかな隙間を持った細かい曲線が、うねると出てくる模様は『モアレ(干渉縞)』と呼ばれ、細かい線が干渉して波打って見えるもので、バンディングとは異なります。

抽象的な映像ですので、これも持ち味だと言ってごまかせないことはないですが、この現象は先にも書きましたが、階調不足(bpc/ビット深度が低いこと)が原因しており、画面転換などで、ゆっくりとした明るさや色の変化が起きるときに目立ちます。



 下がバンディングの対策例です。 "16bpc" にすると、ほぼ消えています。

"8bpc"

"16bpc"

 同時再生ですので環境によっては動きが鈍いかもしれません。


 そこで、聡明なるクリエイターはさらに高みを望むわけですね。

「8bpc ではあかん。これからは 16bpc や!」

 RGB 1色につき 16ビット。216=65536階調。それを RGB全体で『65536×65536×65536』=281兆 4,749億 7,671万656色!!

「あがががが……」 アゴが外れましたね。

 そんな数、これまで生きてきて考えたこともない数字ですから、仕方がないことですよ。手元にあった電卓では、かろうじて答えが出ましたが、エラーもいっしょに出ました。そんな数の色を使うんですから、バンディングもなくなるだろうと考えるのが正直な気持ち。しかも数年前から After Effectsや Photoshopでは "16bpc" 対応になっていますから。

「ちょー待ちぃや。もっと高い、清水の舞台から飛んでみぃひんか?」
「と言うと?」
「もう一段、上ろうや。お前のそのスーパーモンスターマシンやったら、でけるやろ? 自慢しとったやんけ」

 と、おだてられて清水の舞台に上がったクリエーターは "32bpc" というほぼ神の領域、浮動小数点演算に手を出したという話が、やっとここで出てくるのでした。
 なにしろ After Effectsや Photoshopでは、"32bpc" まで対応済みです。やってみたくなるのは、煙突の煙よりも高く昇ろうとする性格だからです。

 計算してみましょう。

 RGB 1色につき 32ビット。232=4,294,967,296階調。げげっ! この段階で見たこともない数字に……。
 それを RGB全体だと、さらに『その3乗』。け、計算できる電卓が無い。

 ありました。Windowsに付属の関数電卓。これなら多分計算できるでしょう。

 79,228,162,514,264,337,593,543,950,336色 ‼‼‼

 色の概念を超越した数字になってしまいました。その桁数、ぬあんと29桁!

「そんな数、見たことも聞いたこともないワ。変態ちゃうか」
 って、あんたがやってみろって言ったくせに……。

 だいたい、これっていくつでしょう。兆(ちょう)の上の京(けい)のもっと上ですよね。
 調べてみると、『垓(がい)』をも突き抜けて、『穣(じょう)』の桁でした。

 792穣(じょう)2816𥝱(じょ)2514垓(がい)………。もういいっすね。もしかして銀河の星の数より多いのでは?
 現代のパソコンの発色数の最大値は『792穣(じょう)』色でした。

 X68000XVIの65,536色(16bitカラー)の1200兆倍以上の組み合わせができるカラーモードって……。それがクレヨンだったら地球何周するのか。
 ワタシの脳みそではもう追っつきませんので、ここはジェミーさんの登場です。
 すると、ジェミーさんはこうまとめました。


① 前提条件
 クレヨン1本の太さ:1cm(0.01m)
 色の数(32bpcの組み合わせ): 79,228,162,514,264,337,593,543,950,336色(約792穣)
 地球1周の長さ: 約40,000km(4×107m)

② クレヨンを並べた全長
7.92×1028(色)×0.01(m)=7.92×1026(m)

③ 地球の周回数に直す
7.92×10^26(m)÷(4×107)(m)= 19,807,040,628,566,084,398 周

何という数字!!
 約1,980京(けい)周するそうです。

「京ぃっ‼」
 3周ぐらいかと思ってたら……。
 スーパージェミーさんはまだ続けます。


④ 太陽までの距離(約1.5億km)ここにクレヨンを並べると。
 太陽まで 2,600兆回以上 往復できます。

⑤ 銀河系の直径: 約10万光年……(オイオイ)
 なんと、このクレヨンは 天の川銀河の端から端までを約83万回往復 できる長さになります。


これが現実でした……。

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 ちょっと待ってください。ここにあるパソコンはそんな数の計算を 1フレームごとに計算していたのですか?

 実はつい先日、"32bpc" で、『1280×720』という小サイズでありながら 30秒の 3D動画のレンダリングに 6時間もかかっていて遅い! って怒っていたのですが、今の計算結果を知ってしまったら、土下座して謝罪したい気持ちでいっぱいになりました。

 でも、こんな宇宙規模の変態計算にもかかわらず、大変なことに気づくのですが、またまた。時間が来てしまいました。
 この続きは、また今度……。



 『変態を考える』は、まだ続くのぢゃ。(TωT)ブヒーッ

(タイトルが変わっとる……)





2026年 1月21日(水)11℃(午後 4時40分)

人生、色とりどり……(1)

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【まえがき】

  "32bpc" で表現できる色数をネットで調べると、ほぼ 100%の確率で "32bpp" の話にすり替えられて、『RGB』で32ビット。各色が 8ビットなので、「256×256×256」=1,677万7,216色と出てきます。それは、こんなバカげたことを題材にする必要はないからだ、というのが理由だと思いますが、ここではそのバカげた話題を 3回に分けてしています。
 そんなお話でよけれぼお付き合いください。

 では、本編の始まりです。


「またなんか変なことを言い出した……」

 いや、そう言わずに、ひとまず落ち着いてください。
 人生が何色? か、なんてことはどうでもいいんです。バラ色でも "どどめ" 色でも一向にかまいません。
 今回はパソコンの発色数に関する話です。
 なぜ、いまさらそんなことを書き出したのかというと、最近 "32bpc" で映像処理することに凝りだしたからです。
 『bpc』という単位は『Bit Per Channel』の略で、各色成分が何階調出せるかという意味になります。日本語では『色深度』とも言われます。

 今度は「各色の成分ってなんだ?」てなりますよね。

 パソコンの画面になぜ写真を映すことができるのか、いまさら説明の必要はないと思いますが、光の三原色を利用して液晶ディスプレイを光らせています。光の三原色というのは『赤(Red)』『緑(Green)』『青(Blue)』です。一般的には英語の頭文字を取って『RGB』と書きます。

 液晶ディスプレイが一枚の発光板だと仮定して、『RGB』が個別に出せるとしたら、その板は『RGB』の組み合わせで、『赤・緑・青・黄・水色・紫・白』の 7色と、消えているときの『黒』も合わせて、8色が出せることになります。

 すごいですね。これがあれば人生 "虹色" ですよ。
 ま、虹は "7色ではない" と突っ込んでくる方もいると思いますので、あまりこだわるのはよして。

 これでは単に板状のフルカラーLEDとしてしか役に立たないので……あ、EL発光板ってどうなったんでしょう。昔、黄色の EL発光板を PICで点滅させて喜んでいた頃が懐かしいです……って、すぐ脱線するのがよくないですね。だからここを読むとくたびれるって、クレームが殺到するんです。

 反省……(;^ω^A

――で、1色の板では液晶であっても表示器にはならないので、この光る部分をものすごい数の粒にしたらどうなるか、そうですね……。横に1920個、縦に1080個ぐらい。全部で『207万3600』個の光の点が完成です。

なんちゅう、中途半端な数字や
 ですね。だいたいデジタルに登場する数値には変な数字が多いんです。『1KB(キロバイト)』バイトだって、実際は『1024』バイトだし。なんだこれ、ですね。

 なぜ、『1920×1080』という中途半端な数字になったのか、調べてみました。
 すると、二つの理由が絡み合っていることが判明しました。

 まず一つ目。
 昔の四角いテレビと、映画館の横長スクリーンの『ちょうど真ん中』を計算したら『16:9』 になったという、妥協の産物。

 そして二つ目。
『16:9』でいくならこれがいい、と手を挙げたのがデジタルエンジニア。

『1920と1080』なら、『16:9』になるし、『1920』は 2進数に直すと『0111 1000 0000』。128の倍数で、かつ "2のn乗" で割り切りやすい、デジタルメモリーにとってもキリの良い数字なんです。幾何学的な美しさに、デジタル的な合理性を重ね合わせているからこれがいい……となったそうです。

 なんとなく眉毛の上あたりが "ピクピク" しますが、長くなるのでここはスルーしておきましょう。
 とにかく、これからのパソコンは 1920×1080ぐらいあったら大きくて『16:9』だからこれがいい。と決まったのですが、その話は "点が多いほうが細かいものが現せる" 、つまり解像度の問題です。じゃあ、何色出すとなります。

 人間の目が感知できる色数は『数百万』色ほどだそうです。略して 100万色のクレヨンですね、買ったら高そう。
 先ほど、画面を約 200万個の点に分けました。この点、1個に 100万色使えたらそりゃもう天然色満点ですが、そうは問屋が卸してくれません。1個で 8色出すとしても『RGB』の、3つのスイッチ(3ビット)が必要になりますので、

 200万個×3ビット=600万ビット
 バイトに直すと 600万÷8=750KB(キロバイト)。

 そこのあなた。「なんだ、1MBもないじゃないか」と思ったでしょ。

 かつて一世を風靡した PC8001のVRAM(グラフィックメモリー)は、たったの 3KB(アドレスは0xF300~0xFFB7)ほどしかありませんでした。それを1画面で 250倍の 750KBっ!
「お前は石油王かっ!」ってどやされますよ。

 8色でそれですから 100万色なんて、そんなのは夢の夢の、またまた夢の先の幻の話です。
 ちなみにやっと出てきました。画面最小の点、1個に『RGB』のスイッチを 3個使って 8色出すこの最低限の機能。このことを専門用語で "1bpc" と書きます。色は『RGB』で対になっているからこれが最小です。

 その最小の制御でさえ、PC8001では実現できなかったのです。ドット単位での発色は不可能で、今でも残る悪夢 "1行120バイトの怪……もとい、アトリビュート方式という『色の予約席』システム" です。

 オレンジ色を出したいのに、パレットにない。この意味わかりますか?
 オレンジ色は『赤』とそれより少し弱い『緑』を混ぜる必要があります。でも "1bpc" は、点けるか、消すしかできませんので、『赤』と『緑』を点けて『黄』色にするか、後は あきらめるしかない……。

「あきらめるって、あほな……」
 もっと恐ろしいことを言ってあげましょう。

 カラーグラフィック可能、と謳ってますが、1ドットに対して 8色だとは言っていません。8×8ドットの『キャラクタ』単位でしか色を指定できなかったんです。今のパソコンが 1ピクセル単位で制御するのに対し、PC-8001の "1bpc" は、"1 Bit Per Character" なんです。でっかいハンコみたいなものを並べるようでした。そのハンコ大のピクセル(と書いていいのか……)でなら 8色が出ました。

 それでも白と黒だけの世界しか知らなかった当時のエンジニアは、カラーという言葉に夢を持っていたので、あきらめませんでした。赤と黄色の四角いハンコを市松模様に並べたものを遠くのほうから目を細めて見つめ、『……うん、オレンジに見える!』って自分に言い聞かせていた、あの執念、今思えばすごいですよね。脳内で補完してやっと『オレンジ色』ですから、すごい時代だったのです。

ジェミーさんが描いた レトロパソコン

"gemni" はジェミーさんのハンドルネームだそうです

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しかし神様は見捨てませんでした。次に登場したのが、我らが救世主。マンハッタンスタイルの『X68000XVI』さま。
 なんとこのマシン、1ピクセルに 16ビット も割り当てられました。

 1チャンネル(RGBのどれか 1色)につき 5ビット+輝度1ビット。さっきの専門用語で言えば "5bpc" 相当ですが、出せる色は 2の5乗=32が RGBで、 32×32×32= 32,768に輝度1ビットがあるのでその倍、65,536色!
 当時の最高機種だった PC98でさえまだ "16色の壁" にぶち当たっていたのに、画面のどこにでも、1ドット単位で好きな色が置けるこの世界。それはまさに『王者の風格』でした。

 実写のようなグラデーションが、目の前のブラウン管に映し出された瞬間の震えるような感動。あの時、ワタシは「もうこれ以上の進化はいらない」と本気で思ったものでした。


35年という年月が流れても "いいものは、いい"

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 ――案の定、"32bpc" までたどり着けませんでした。


 まだまだ続くのぢゃ。(TωT)ブヒーッ






2026年 1月13日(火)11.5℃(午前 14時20分)

そろそろやばい…….

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仕事場のパソコンには外付けのHDDが3台ぶら下がっているのですが、そのうちの1台が最近頻繁にエラーを吐き出すようになってきて、このあいだは過去に作った動画を見ていると突然画像が停止。でも音声だけは流れていて、何とかつじつまを合わせようと映像が飛び飛びに追いつくのですが、そのうちぱたりと止まってしまい、音声だけが流れるという異常事態に。

 はたと思いつきましたね。これはそろそろヤバい前兆だと。余命わずかの末期的な症状ではないかと、保存してある最古のファイルの作成日時を見ると "2016年" で、更新日時はさらに半年ほど過去。
 この HDDはバックアップ用としか使っていませんので、このファイルは最終更新日時から半年後に、ほかの HDDから移動してきたのが "2016年" ということになります。

 あれから 10年……。


 まだ動いてはいますが、いつ逝くか、まるで時限爆弾です。そこで、重要ファイルだけを新規参入して 2年ほどの若い HDD(ワタシは駆動初日の日時をハードディスクの名前に追加しています)へ引っ越しをさせました。

 世間一般での常識では HDDの寿命は 4年ぐらいと言われています。なので、10年は長寿だったと言ってもいいかもしれませんが、まあ、ワタシの脳みその一部が保管されているような HDDですので、その扱いは丁寧でした。
 まず、バックアップの必要が無いときは電源を入れない。むやみに細切れなアクセスはしない。無駄なアクセスを回避するようにデフラグも定期的に行っていました。
 ようするに無理させずにそっと使ってきたから 10年という年月に耐えられたのかもしれませんね。

 ハードディスクの内部では、磁気円盤(プラッタ)が高速回転しています。この円盤の上には、レコード盤のような同心円状の "トラック" と呼ばれる道みたいなものがあって、そのトラックをさらに細かく区切った "セクター" と呼ばれる最小単位の小さな部屋が並んでいます。

 ただ、セクター単位では細かすぎて管理が大変ですので、OSではそれをいくつかひとまとめにした "クラスタ" というグループを単位にしてデータを扱っています。そこへ磁気ヘッドが素早く飛んで行ってデータを読み書きするという仕組みはご存じだと思いますが、この磁気ヘッドと円盤の回転のコンビネーションで HDDの速度とメカニカルな部分の寿命が変化すると言っても、間違ってはいないと思います。

 唐突ですが。
 HDDの中身は細切れのウドンが漂っている。

あー。こいつ、ついにおかしくなりやがったな……

 ご心配なく。ワタシの脳みそは今日も快適に活動しております。
 この細切れの "ウドン" がクラスタと呼ばれるもので、すべてに通し番号が付いています。そして管理台帳なるものが、磁気円盤の決まった場所(通常はパーティションの先頭付近)に、Master File Table(MFT)として書き込まれています。

 この台帳には、次に食べるべき "ウドン" の番号が記録されていて、たとえウドンがぐちゃぐちゃにかき混ぜられようとも、番号どおりに読んでいけば、内容が復元されるような仕組みになっています。
 しかし、その番号が遠く離れた "ウドン" になるとそこまで磁気ヘッドが飛んでいくのにわずかなりとも時間が掛かります。だからなるべく細切れ "ウドン" は順番に並んでいた方が効率はいいし、メカニカルな動きも少なくて済むので、故障率も下がります。

 しかし、これを考えた人は天才ですよね。
 例えば、ファイルは不変ではなく常に一部が削除されたり追加されたり、そのたびに一つのファイルの長さが変化します。そうなると、順番通りに並んでいた。細切れ "ウドン" がバラバラに離れてあちこちに散らばってしまいますが、番号順にアクセスすればデータは読み書きできるんです。

 ただ、あまりばらけると先ほど書きました、無駄なアクセスや時間が発生しますので、一旦、ばらけた "ウドン" をもう一度整列させる作業があると便利です。それが "デフラグ" です。


 まだ寿命がきて使えなくなったところまでは至ってませんが、すべての重要データを新しい "約束の地(新 HDD)" へと脱出させたあとは、この 10年戦い抜いた老兵に、安らかな、かつ絶対的な眠りについてもらう "聖なる封印" を施してあげるのが、ワタシの努めでもありますね。

 壊れたから、ぽいっとゴミの日に……。なんて恐ろしい。ワタシの脳の一部(脳で拵えたデータ)が入っていたんですから、誰かに拾われて悪用されたら大ごと(おおげさ~)です。

 というか、うかつに扱うのは厳禁です。最低でも、全セクターに対して、『00』や『FF』、あるいはランダムな数値を書き込んで完全消去するのが、個人情報漏洩を防ぐ意味でも行うべきです。

 その方法です。(一歩間違うと致命的などえらいことになりますので、個人の責任において実行してください)
① コマンドプロンプトを管理者として実行。
② C:\Windows\System32>  と出ていることを確認。
③ format F: /fs:NTFS /p:1 と入力。
  p:1は、全領域を『00』で埋めたあと、さらにもう 1回、『00』以外の数値で念入りに上書きされます。
  pオプションが無ければ『00』で埋めるだけ。

《注意》
上記の 『F:』は例です。実際は消去するドライブ番号になりますが、もし間違えたら、使用中の重要な HDDを即死させることになります。ここは細心の注意が必要ですので、エクスプローラーで、消去したい HDDが本当に正しいか、何度も確認してください。


④ "y" と入力して enterキーを押すと開始されます。
⑤ かなり時間が掛かるはずですが、終了したら「exit」と入力し、Enterキーを押してコマンドプロンプトを閉じて終わり。

 ワタシの場合は、もっと徹底しています。
 何しろ苦労して作ったノウハウが詰まっていた伝説のHDDですから、二度と悪用されないよう地中深くの聖域に納めるべく、まず、ドリルという名の聖剣で迷宮の入口ともなっている磁気円盤(プラッタ)のど真ん中を貫きます。これでどんな魔法使い(復元ソフト)も中に入ることはできません。

 さらに、アクリルカッターで内部のコントロール基板を走っているパターンを切り刻みます。魔力の供給路を断ち、完全に沈黙させるのです。フラットパッケージの ICだって容赦なく "べろりんちょ" です。
 最後の仕上げに数日間、聖水(ただの水道水・雨水も可能)に浸けます。これで封印は完成!

"お疲れ様。君の中にあったワタシの記憶は、ちゃんと次の世代(HDD)に引き継いだぞ" と、10年間の感謝を込めて、日本酒で別れの宴です。

何で、ここだけ日本酒やねん!


 それは単にワタシが日本酒党だからです。

 うははははは。   ( ̄ω ̄;) アホヤ~







2026年 1月 6日(火)12.5℃(午前 10時40分)

2026年。明けましておめでとうございます…….

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といいつつも……。

 元旦の朝から 38度近い発熱で、早朝の仕事ができず、朝 8時にやっと起き出し、ビールと日本酒で乾杯を済ませたあと、ちょっとテレビを見てから、再び寝床に戻り、昼過ぎに目覚めて、またビールをコップ一杯ひっかけてテレビを見ながら寝込むという、普通の正月と変わらないじゃないか、と思われそうですが、ワタシにしてはだいぶ違っています。

 まず、早朝の仕事……。

 別に朝刊を配っているのでも、お豆腐屋さんの裏方でもありません。時間に関係なく常にパソコンに向かっているのは、"RPGの魔王城の前で平然と道具屋を営む親父" と同じです。そこが定位置なのです。

正月でもやってんのかよ!

 という突っ込みありがとうございます。

 ――やってますが……なにか?

 今年は農閑期(←ここ笑うとこ)で、ずいぶんと暇でしたが、ここ数年分の過去ログを覗いてみてください。ほとんど正月から仕事が終わらないと愚痴を書いているか、正月もとっくに過ぎたころに『明けましておめでとう』と間抜けな冬眠明けのカエルみたいなことを書いてますから。熱を出して一日中パソコンに灯がともらなかったことは 365日に一度だけです。


 あまり自慢できる話ではありませんでした……。

 とにかくまともなことを正月から書かないのは、このサイトで言えば "正月の伝統芸能" のようなものですから。



ということで。今年もよろしくお願い申し上げます。
   ( ̄‥ ̄) ゲコッ