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2024年 3月24日(日)18.5℃(午後 5時 25分)

あれから2か月……(3)

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さて、繁忙期を乗り切るために使用してきたツールたちのラストは『生成 AI』です。
 これまでにご紹介した 2つのツールはオリジナルのもので、仕事をしつつ拵えていった、いわゆる効率よく仕事をこなすために、必要に迫られて誕生した道具のようなものですが、今回ご紹介するのはそれとは異なる大規模なシステムにより生まれた新しい技術です。

 このサイトでも実験的なことを行っていますので、興味のある方は2023年10月1日をご覧ください。

『生成 AI』と聞くと革新的でいいこと尽くめのように思えますが、課題もたくさんあります。いまだにはっきりしない著作権の問題や、それを悪用したフェイクニュースの氾濫。生成 AIが作成したものを別の AIが再学習して再び生成することを繰り返していくと、どんどん質が悪くなっていくという悪循環、モデル崩壊が生まれることなどに、世間が気づきだして、いまざわついています。

 しかしこれをうまく使うと仕事の効率が上がるのは間違いありません。そこでどのように利用したのかを簡単にご説明します。これが何かの参考になれば幸いです。

 ワタシの仕事は教材用のアニメーション映像を作ることです。デジタル教科書の普及率が上がるにつれて、この手の仕事が山のようにやってくるようになりましたが、効率よくこなさないとフリーランスとしてやっていけません。前回のクチパク作業も効率の悪いものでしたが、それらの中でも最も効率が悪くなるのが、背景まで描かれた1枚の挿絵からアニメーションを拵えるという仕事です。

 なぜ効率が落ちるのか。それは画用紙に描かれたような絵だと、動かすキャラクターのパーツごとにそこから切り離さないとアニメ化できないからです。ふつうは動かすパーツと背景が異なるレイヤーに分かれたものから作ります。

 1枚の絵ですからとうぜんですが、パーツを切り離すとそこには穴が空きますし、動かせば穴が丸見えになるのは説明する必要もないでしょう。

 そして背景が描かれているということはサイズも固定されています。なので作成する映像サイズと同じだとは限りません。だいたいは、絵のほうが小さいことが多いです。ですから足りない部分は白紙になりますので、こちらが何らかの方法で手を加えて、足りない部分を補わなければなりません。しかも下手くそな絵を描き足すとアウトですし、うまく描けたとしても絵のタッチが違うと違和感が生れますのでこれもアウトです。そんな難問をそつなく、かつ素早くやってくれるのが『生成 AI』です。

 ワタシは Photoshopの『生成 AI』を使うたびに、グリム童話の『小人の靴屋』を思い出します。寝ているあいだに小人がやってきて仕事を終わらせてくれるという話です。でも、物語にはしっぺ返しがやってくるように、何も考えずに手放しでこの技術を使っていると、新たな著作権の侵害を起こす可能性がありますので、実務にこれを使うのは慎重になるべきだと思い、ワタシなりにボーダーラインを引くことにしました。

① イラストの場合は、作者がそれを許可していることを確認し、なおかつ絵そのものには手を加えないで必要な部分だけを描き足すだけにとどめる。もちろん主題からぶれるような描き足しはご法度です。
② 写真の場合も主題からぶれないように背景の拡張をするだけにする。ようは無意味な白紙部分を補う描き足し、塗り足しだけにとどめる。
 の二つです。


 うだうだ書いていても先に進みませんので、実際の例を挙げてみます。

 実務で使用したイラストを使うわけにいきませんので、今回も ©Caramel-bonさんが制作されたイラストを使わせてもらいました。いつもすみません。

 次のようなイラストが支給されます。だいたい 1話あたり 4~5枚です。


プードルが山道に立っているイラストです。このプードルを歩かせて山を登っていくアニメーションを作るのが今回の作業内容です。

 このプードルをアニメーションさせるには、絵からプードルを切りはがさなくてはいけません。それと、アニメーションの映像サイズは 1920×1080という、フルHDサイズと決まっており、上の写真の白い部分全体がそれにあたります。

 16:9の長方形ですが、もらったイラストは正方形。背景がぜんぜんたりません。白い部分が消えるまでに絵を拡大すればいいように思えますが、PNGや JPGデータは拡大すると絵が粗くなりますので、それはできません。自力で絵を描き足すにしても技量も時間もありません。だいたい一日一本ペースで作らないと納期に間に合わなくなる計算ですので、それも不可能な話です。

 そこで『生成 AI』の登場です。イラストの正方形より少し小さいサイズで選択範囲を作ってそれを反転させます。つまりイラストの部分を少し含んだ白い部分全部を選択した状態にして『生成 AI』のプロンプトに何も書かずにスタートさせます。それが次の写真です。



 進捗バーが「ぬぬぬー」と伸びて約十数秒後、パッと画面が切り替わったのがこの写真。


まったく違和感がありません。じっくり見てもどこから描き加えたのかが判別つかない仕上がりです。
 この間、20秒に満たない時間ですが、この出来栄えです。手書きをしていたら数時間かかっても違和感が無い絵を描くのは無理だと思います。

 次にプードルをこの絵から切り離します。
 背景の色と切り抜く絵の色がはっきり分かれているときは、『クイック選択ツール』が便利です。マウスでなぞるだけで、色の境目を自動的に選択していってくれます。昔ならこれも手作業でちまちまと選択していく作業でしたが、すごい進化だと思います。


『クイック選択ツール』で大雑把に選択後、『投げ縄ツール』で細かい部分を修正してプードルが選択できました。
 背景の色が単色だったのとプードルが鮮やかな色をしていたおかげで淡々と作業が進みましたので、ここまでで開始から 2分ほどです。



 そしてプードルを切り抜き、別のレイヤーへ移動させた後、切り抜いた穴より少し絵のほうまで選択範囲を広げたのがこの写真。
 立て札の『LOVE』の後部が切れているのもあわせて穴の中を『生成 AI』に描かせます。



 実務ではもっと複雑に背景の重要な部分に穴が開きますが、やることは同じです。開いた穴より 2pxほど広く選択してからプロンプトに何も書かずに『生成 AI』を起動します。プロンプトに指示を書くと、周りのタッチと大きくかけ離れた写実的な絵が描かれてしまいますので、何も書かずにスタートさせるのがコツです。


 そうすると……。


これで完成。穴の中に山の景色が描き足されて、立て札の『LOVE』の後部もきれいに仕上がっています。

 今回はプードル全体を切り抜きましたので、簡単に穴がふさがりましたが、例えば人の顔だけを切り抜いて穴をふさごうとすると、不気味な顔が描かれてしまうことが多々あります。それはたぶん切り抜いた穴の形が人の顔の形になっている状態で、プロンプトに何も書かずにスタートするせいでしょう、AIがその穴に再び別人の顔を描いてしまいます。かといってプロンプトに指示を書くとタッチと合わないものが描かれます。こんなときは切り抜きの穴にそって選択するのではなく、あえて正方形や長方形に選択して、顔ではないことをイメージさせるとうまく描き足してくれます。ここらはカットアンドトライが必要な部分かもしれません。

 これでプードルと背景が別レイヤーに分かれましたので、あとはプードルのパーツを動かす部分に細分化してレイヤーに分けてから、AEにインポートしてアニメーション作業の開始です。

 1枚絵の場合はパペットピンツールでチャチャッと済ます方も多いと思いますが、パペットピンツールはバグが多くてすぐ破綻したり、妙な歪みが発生したり、さらには画像が変更されると全部やり直しになったりと、後のリスクが大きいので、パーツを親子関係にしてボーンシステムの真似事みたいなことでアニメーションしています。

 ここまで開始から5分も掛からずというスピーディさ。Adobeさんが熱く語るワークフローの効率化とは、このようなことをいうのかもしれませんね。

 仕事はこれで終わりではなくこれから始まるのですが、この下拵えの部分が半自動化されたことでずいぶんと効率が上がったのは間違いありません。

 さらに突き詰めて、この後のアニメーション化する作業でも AIが手伝ってくれる部分があると思います。そうすればやがて人間はただひたすら脳みそを使うだけの時代が来るかもしれません。それが良いことなのかどうかは別として、ワタシとしては期待してしまいます。






2024年 3月 9日(土)10.5℃(午前 6時 8分)

あれから2か月……(2)

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人間の手助けをしてくれる AIシステムもかなり進化してきて、プログラムのコーディングを手伝ってくれるコパイロット(Copilot)と呼ばれる生成 AIが登場する時代です。そんなレベルには到底無 理ですが、ワタシもそれなりのサポーター処理を作って、この繁忙期を乗り切っています。

 と書いても具体的な説明が無いと疑問符しか出ないでしょう。かといって細かく説明すると読むのも大変だし、だいたいワタシのやっている仕事があまりにも特殊ですので、なかなか理解してもらえないのが残念ですが、とにかくせっかくパソコンを使った仕事をしているのですから、もっとパソコンを活用してやれと思い立つたびに手掛けてきたのがこのサポート処理たち。ちょっと大袈裟ですが、このサポーターのおかげで涙がちょちょぎれるほど楽になっています。

 ということで、前回の第一弾は『漢字システム』でしたが、今回は『クチパクエンジン』です。

 何に使うのかというと、アニメーションでは欠かせないキャラクターのクチの動きを自動化しようというものです。世間ではリップシンクとか呼ばれていて、優れたものでは人の口の動きを読み取って絵で描かれたクチを動かす本格的なものがありますが、そんな大掛かりなことは予算的にできません。

 でも英会話のアニメーションでクチが動かないのはアウトですし、会話の無い英会話なんて、もう英会話ではなくなっていますし。最低限セリフに合わせてクチがパクパクする処置をしないとダメです。

 はじめのころは音声に合わせて開いたクチの絵と閉じたクチの絵を手作業で切り替えて、それなりにやってきましたが、短納期ではとてもじゃないですが追いつきません。アニメーションの時間は 1本あたり 3~5分ですが、数人のキャラクタがだいたい交互に会話しますので、その作業は手足や体を動かすより苦痛になります。この処理に掛かる時間をなんとか短縮できないかと常々思っていました。

 使用する オーサリングツール は After Effects(以降 AE)ですので、ネットで調べるといろいろなものが出てきます。しかしなかなか自分で思っているものと一致するものが見つかりませんでした。ならば作るしかないか、と時間のあるうちに手掛けていたのが、クチパクエンジンです。

 ダサいネーミングですみません。根がダサいのでこれでいいんです。

 基本的な方法は、オーディオのデータを振幅波形に変えて、波の大きさを数値化して利用するものです。ネットで出てくるのはたいていこの方法です。ただ、数値化された値をどうやってクチの切り替えに利用するかで、いろいろなやり方に枝分かれするようです。

 ワタシの採った方法を、何とかしてやろうと考えている方で、AEをだいたいマスターした人の参考になる程度で説明しますと……。

 クチの開けと閉めを 5フレームで分けたクチパクコンポジションにタイムリマップを掛けてから、それに切り替え用のスクリプトをエクスプレッションとして書き込みます。
 スクリプトのアルゴリズムはとてもシンプルで、フレームごとに音源の振幅を数値として並べた振幅レイヤーから、 1フレーム進むたびに値を読み取って、クチパクコンポジションの表示フレームを切り替える方法です。

 エクスプレッションでは振幅レイヤーが示す数値の最大値から、クチパクコンポジションでの『クチを開けた絵』の最大フレーム内に収まるようにわり算しています。ようは数値がある値より小さければ、クチパクコンポジションの『クチ閉め』フレームに、その基準より大きければ『クチ開け』のフレームが選ばれるようにしています。このエンジンの利点は、クチパクの切り替える値を if文で割り振ればいいだけですので、2パターンのクチパクの絵だけではなく、3枚の絵で構成されたクチパクでも簡単に変更できます。半分開いたクチの絵をあいだに挟むとかなりリアルになります。

 理論的にはこれでよさそうですが、実際にやってみるとかなり問題が多く、声優さんの口調に左右されます。はっきりとメリハリよくしゃべるとすごくいい感じで動きますが、音を引きずるようにしゃべったり、次の言葉とつないでしゃべると音の切れ目が読み取れず、クチが閉じるべきところで、開いたままになるときが連発します。これが次の壁でした。ネット上でもこの問題が取り上げられていますね。

 やがてこのクチパクエンジンの決め手は、音量の差ではなく、音の伸縮だと気づいたのです。そこで少しでもメリハリをつける方法として考えたのは、オーディオデータを扱う Adobeの Audition(以降 Auと書きます)を使って、声優さんの声をエフェクトのエクスパンダーを掛けて振幅の上下を誇張させた音に変換してから、AEでオーディオ振幅レイヤーを作ると、音量の差がはっきり出て、大きい音は大きく、小さい音は小さくと波形自体が鮮明になって、切り替えの閾値(しきいち)が目立つようになり、誤変換が少なくなりました。でもこのままだとこもった感じの声になりますので、クチパクの処置が終わったらもとの音源に戻すことにしました。

 Auについて詳しくはこのサイトの楽しい効果音づくり をご覧ください。


 問題はもう一つ。波形データが切り替えの閾値周辺で何度も変化すると、クチが開いたり閉じたりを繰り返してバタつきます。そのようなときは "posterizeTime(n)" を入れて対処しました。
 これはフレームレートを"n"に替えてコマ落ちさせるもので、n=12~16(fps=30の動画で)にするとバタつきが収まります。あまり小さな数値にすると今度は動きが鈍くなりますので、 サ・デポン でやってます。

 とはいってもまだ完璧ではありません。数か所は修正しないと不自然になります。しかし修正方法が簡単で、振幅レイヤーをグラフエディタで見て、グラフの頂点をマウスでドラッグして上げ下げするだけでクチの動きが修正できます。
 慣れてくるとグラフをざっと見ただけでおかしな部分が先に分かるようになりますので、その場で修正しています。どちらにしても、耳で声を聞いてクチの開け閉めのタイミングを見測っていたころを思えば雲泥の差です。おかげで一人の会話で数十分かかっていた仕事が 1分ほどで完了するようになりました。

 次回は『拡張生成 AI』です。
 さすがにこれはオリジナルではありません。このサイトでも何度か出てきました Adobe PhotoShop に去年から搭載された生成 AIです。
 気なる方は、先に2023年10月1日をご覧ください。




2024年 3月 6日(水)11.5℃(午前 6時58分)

あれから2か月……(1)

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年末から始まった缶詰生活もようやく出口が見えてきました。数学の字幕起こしが 400点。小学校の算数教材アニメーションが 250点、中学校英会話が 90点、小学校英会話が 32点。
 これだけの数を 2か月ちょっとでこなすには一人の力では到底むりです。そこで助っ人を……。

 といっても人ではありません。特殊な分野ですのでそう簡単にアシスタントとして立候補してくれる人はいません。そこでやむなく採った処置が、パソコンをサポーターとして手伝わそうというものです。

 今回活躍したサポーターたちは、教材用漢字システム、クチパクエンジン、AIによる画像の拡張生成。この 3つです。

 まず、動画の字幕起こしは去年作った教材に特化した漢字システムが大活躍。すでに小学校 6年生までの漢字は学習済みですので、中学校あたりの漢字変換はおてのもの、あえて平仮名表記しなければいけない、まだ習っていない漢字や教科書に準拠した漢字もほぼ自動的に変換してしまいます。このあたりの詳しいことは 2023年の1月 6日あたりから書き綴っていますので、興味のある方は覗いてみてください。

 この漢字変換システムのおかげで通常の倍ぐらいの効率アップに成功しています。つまり私が二人いるような計算です。二人いれば必ずどちらがさぼりますが、パソコンは黙々と仕事をしてくれます。

 ワタシの役目は、支給された動画をプレミアに入力して自動文字起こし処理をスタートさせ、吐き出された文字列を漢字システムにのせかえることと、本当に正しい数学用語になっているか最終確認と、字幕の行あふれをみつけたらそれを正して、srtファイルと呼ばれる字幕専用のデータに書き出して納品するだけです。

 人間のほうが雑用のように思えますが、この漢字システムも簡易的なものですから、ミスることが多々あります。たとえば、計算記号の "( )" と、ことばとしての "かっこ" の使い分けが完璧ではありません。でも改良するには時間が掛かりそうでしたので、誤変換した場合は人間が修正することとしています。例を挙げますと。

 動画の中で先生が、『ここで かっこをつけてワイ イコール に かっこエックスぷらすいち かっことじる』 と説明していたら、プレミアは、

『ここで括弧を付けてワイイコール 2括弧エックスプラス 1括弧とじる』 とこれぐらいの日本語文字に起こしてくれますが、数学の教材としては使えませんので、次に漢字システムに切り替えます。
 すると、
『ここで かっこ をつけて y=2(x+1)』 ここまで変換してくれます。

 ちなみに教科書では『括弧』や『付ける』の漢字は平仮名にするルールがありますので、ちゃんと平仮名に再変換されています。しかも計算式の中は記号の "(" や ")"になっていてこれで完璧です。

 でも、これは話者となる人が、『ここでかっこを』と『かっこ』の後に『を』を言ってくれていたり、"かっことじる" としゃべっているからです。もしそのようにしゃべってくれないと、どちらも記号の "("になってしまい、

『ここで ( つけて y=2(x+1(』 と数学的に変な文字列になってしまいますので、あとで修正しています。

 このへんはまだ改良の余地がありますが、現時点では考えていません(時間が無いのが本音)。

 他にも制約はいろいろありますが、ここら辺をよーく監視しておかないと、あとで訂正させられることになります。でも人間がすべてを黙々とやるより力強い助っ人になっていることは、お分かりいただけると思います。

 さてお時間です。時間的に余裕ができたとはいっても、まだ 3月末までは作業は続きますのでここらへんで……。
 次回はクチパクエンジンと、拡張生成サポーターの話です。


 つぎの絵コンテはまだかな~  ( ̄∀ ̄) ~♪







2024年 1月 1日(月)13.5℃(午前 5時58分)

正月からモノ思う……

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フリーランスになってはや 3年を迎えようとしております。これまで、どうにかこうにかやってこれたのも、ひとえに偉大なる Kプロデューサー様のおかげだと……。冒頭にこう書けといわれていますので、書かせていただきましたが。

 でもじっさい途切れることなくお仕事を頂けるのは、やはりプロデュースと営業を兼ねて日々奮闘していただけるからで、心よりありがたく思っている次第です。祝日休日が皆無になろうとも、年末年始がなくなって正月休みが幻になろうとも、マウスがつぶれるまで頑張らせていただきます。

 と強い決心のもと――。

 にしても。なぜに年末あたりから制作依頼が集中するのでしょうか。すでに 3月までスケージュールびっしり。プロデューサーさんの話によると数学の3D映像の依頼が 150点あったらしいですが、にっちもさっちもいかず、ご遠慮させていただいたとのこと。でも断り切れなかった 4点だけが、この真っ黒けのスケジュールに、さらにねじ込まれたという。まぁ、うれしい悲鳴なのですが。去年もそうでした。なぜか年末あたりから嵐のように依頼が殺到するのです。

 ま、学校教材ですから、一人の人間がエイやぁー、って勢いで作るものではなく、編集部の人たちが長い時間かけて練り上げた作品が、最終的にこれをアニメーションしてくださいって、ここに持ち込まれるのが、1年も終わろうとするころなんでしょうね。うれしいことです。

 と思う今日は1月1日、午前5時です。大晦日の夕刻までに数学の字幕起こしを終わらせての翌日。本日はお休みをいただいて、明日から小学校英語のアニメーションに取り掛からせていただきます……と、業務連絡的な内容を書きつつ、貴重な年に一度の休日なのに、相も変わらずパソコンに向かってこれを書いている自分って何なんだろうなと首をひねりながら、年頭のご挨拶とさせていただきます。


  今年もよろしくお願いします。m(^_^)m



《補足と業務連絡》
 ―― そういう事情ですので、©Caramel-bonさんのパンダのエフェクトはもうしばらくお持ちください。
 ちなみに 12点の nftアートもまもなく発売でございます。





2023年 11月24日(金)20℃(午後 4時52分)

そろそろマシンの老化が……

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時が流れれば老いもやってきます。あ、自分のことではありません。いや自分も年をとっているのですが、このサイトでは年齢不詳となっていますので、最近右腕が痛くて上がらないな~とか、テレビを見ているとピンボケがひどいなぁ~などという話題は禁句です。右腕が痛いのもテレビがボケて見えにくいのも、連日休日なしで10時間以上もディスプレイの前でマウスを振り回しているからで、決して、老いのせいではありません。(うそ……。せいです)

 年をとったと痛感するのはパソコンのことです。
 仕事場には HP社のパソコンとマウスコンピュータさんの DAIVシリーズのマシンが 2台あります。HP社のパソコンは嫁さんが使っているので、オモチャみたいなものなのですが、映像関係、とくに 3Dものの制作には DAIVシリーズのマシンでないと、遅くて仕事になりません。

 購入時は最新のパーツが使われていますので、それなりに快適な動きを見せてくれました。しかし時が流れてスキルアップとともに仕事の内容もレベルアップ。ありがたいことですが、マシンの性能は当時のまま、徐々に重く感じられる昨今です。

 1台は5年目になる i7 CPUで GTX1080のGPU、RAM32GBという、引退寸前のマシン。
 もうひとつは、i9 CPUで RTX2080SのGPU、RAM64GB、2年前の購入当時は、怖いものなしで暴れまくっていましたが、最近は仕事の内容についてくるので精一杯という感じ。
 といっても、最近よく使いだした生成 AIの処理や画像の加工に関してはどちらのマシンもサクサク動くので問題はありません。ですが、こと 3Dの作成になると、5年前の GTX1080マシンではもう限界。RTX2080のマシンでもだいぶ重く感じます。

 その原因は仕事の内容が肥大化してきたことに尽きます。昔のように本がぱたんと閉じるとか、タブレットがくるくる回るとか、単体のものを 3D化して動かすなどのような簡単なものではなく、アニメーションに使う背景を自由な角度や自由な距離感を出せる 3D映像にしてしまおうという流れに代わってきたからです。

 これまではイラストの作家さんが描いた背景を利用していましたので、シーンに合わないと感じても、描き直すコストと時間を掛けることができずあきらめていました。

 ところが、背景が 3D化されるとカメラのアングルも距離感も自由自在です。プロデューサーさんのイメージどおりのものになるというのが最大の利点です。

 しかも依頼内容が教材用アニメーションですので、グラフィカルなイラスト風に画質を落とすのにちょっとコツがいりますが、超リアルに作る必要が無いうえに、描かれたキャラクターの角度に背景のほうを合わせることができますので、従来の方法よりとびぬけて良いとなったわけです。

 最近やったのに、教室、廊下、階段のある風景はもちろん、学校の敷地内にあるものをすべて作ったうえに、周辺の町並みも一緒に作っています。体育館から渡り廊下、朝礼台、鉄棒からうんてい。花壇やテニスコート、陸上トラックなど背景となりそうなものを実際の写真を参考に架空の3D空間に設置してあります。

 加えて、運動場の周囲にはフェンスを張って、その外には家並み、ビル街、交番もあって、交通安全の旗が風に揺れている横を、バスが信号付きの交差点を通過していきます。どんなシーンの依頼が来ても、どこでも背景にすることができるように作ってあります。


運動場から360度カメラを回転させることもできます

少しでもデータを軽くするため細部は省略して、マテリアルもラフに作っていますが、交番横の交通安全の旗はマジで風に揺れていますし、バスもちゃんとタイヤを回転させて走って行きます。そのおかげで、場所を問わず、どこへでもカメラを近づけてアニメーションの背景として利用できるわけです。


 しかしこうなると RTX2080のマシンでも四苦八苦。使われるシーンはどれも 40秒ほどですが、レンダリングに数十分から数時間もかかってしまいます。自分の老いよりも、マシンの老化が気になるというもので、そろそろ次の助っ人が欲しいのが本音です。


 やっぱ CPUよりも GPUなんでしょうかね。となると、NVIDIAのRTX4090っすか?
 RAMは夢の 128GBで、アフターエフェクトのプレビューもストレス無しでサクサクと動かしたいですね。

 で……。おいくら?


 "んげっ!"  ( ̄ω ̄;) タカ~。